株式会社公募ガイド社様
株式会社公募ガイド社では2014年秋、『月刊公募ガイド』公式サイトのコンテンツ・機能を強化し、新規Webサービス事業にも進出するため、『サイト職人CMS フルオーダープラン』によるWeb制作をウェブラボに依頼した。『月刊公募ガイド』元編集長で現執行役員の橋谷尚人氏に、Webサイトの強化および新規Webサービス事業への進出に踏み切った経緯、制作会社の選定ポイント、ウェブラボへの評価などを伺った。
株式会社公募ガイド社について
『月刊公募ガイド』及び関連書籍の編集・発行を行うほか、プライベート出版の編集・制作、Webサイト・モバイルサイトの企画・編集・運営、音楽(PRソング、市町村歌、校歌、プライベートソング等)制作、デザイン(広告、ポスター、チラシ等)制作、映像制作、朗読CD制作、通信講座の企画・運営、セミナーの企画・運営、雑誌・ケータイ向け広告・マーケティング業務、公募イベントの企画立案・選考・募集事務局運営・コンサルティング等を行う。設立1977年。社員約20名。本社東京都新宿区。(2015年12月現在)
『月刊公募ガイド』について
創刊1985年、国内唯一の公募情報専門誌。作品、デザイン、キャッチフレーズ、ネーミング等の一般公募やコンテストの募集要項、審査結果、作家・クリエイター志望者向け記事などを掲載する。発行部数10万部。毎月9日発売。
もくじ |
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紙媒体のコンテンツをWeb上に展開し、新規Webサービス事業も立ち上げ
- 公募ガイド社ではウェブラボにいつ、何を依頼しましたか。
当社では2014年秋に、Webサイトのリニューアルをウェブラボに依頼しました。
- 依頼したのはどのようなリニューアルでしたか。
リニューアルの柱は、大きく2つありました。
1つ目の柱は、従来は紙媒体のみで行っていた事業を、Webでも展開できるようにすることです。
具体的には、雑誌『月刊公募ガイド』で30年にわたり行ってきた「一般公募情報の提供」を、Web上でも行えるようにすることです。
2つ目の柱は、新しいWebサービス事業を立ち上げることです。
具体的には、「公募ワーク」という名称のクラウドソーシングサイトを新たに構築することです。「クラウドソーシング」とはインターネットを活用した外注のことで、デザイン、ウェブサイト制作、データ 収集、記事作成などさまざまなお仕事を外注したい企業・団体・自治体様と、こうしたニーズに応えるクリエイター様をマッチングするサービスです。
これら2つの柱に、「雑誌『月刊公募ガイド』の公式サイト」、「公募プロデュース事業のサイト」、および「通信教育事業のサイト」を加えた、5部構成のサイトの制作を依頼しました。
『サイト職人CMS フルオーダープラン』でリニューアルした5部構成のWebサイト
『月刊公募ガイド』公式サイト
公募情報を検索できる「公募ウェブ」
「公募スクール」サイト
「公募プロデュース」サイト
クラウドソーシングサイト「公募ワーク」
紙媒体からWebに展開し、新規事業にも参入した背景
- リニューアル前は、Webをどのように活用していましたか。
リニューアル前は、簡単な会社紹介程度にしかWebを活用していませんでした。
- 「簡単な会社紹介程度」にしかWebを活用していなかった状態から、「紙媒体で行ってきた事業のWebへの展開」へ、さらには「新規Webサービス事業の立ち上げ」にまで踏み切った背景を教えてください。
まず大きな潮流として、人々が情報を得る手段が「紙媒体からWebへ」と移行していることがあります。
こうした潮流の中、当社のような情報サービス業がWebに進出することは、遅かれ早かれ不可避でした。
ただ、しっかりとしたビジネスモデルを築かないままWebに情報を流せば、「紙媒体が売れなくなる一方、Webからも収益は上がらない」という状態に陥ってしまいます。
社内で検討を重ね、「紙媒体の発行部数を維持しながらWebでも収益を上げていく」モデルの見通しがある程度立ったことが、紙媒体からWebへの展開に踏み切る契機になりました。
さらに「クラウドソーシングサイト」という新しいWebサービス事業の立ち上げにまで踏み込むことにしたのは、当社に大きな優位性がある事業と判断したからです。
- クラウドソーシングサイト事業における公募ガイド社の優位性とは。
当社は国内唯一の公募情報専門誌の発行者として、「クリエイティブな能力を必要とする側」と「クリエイティブな能力を発揮する側」の双方と、30年にわたり関係を築いてきています。
たとえば当社は、キャッチフレーズ、ネーミング、キャラクターデザインなどの公募や各種作品コンクール、コンテストなどを通じ、全国の約7割の自治体と何らかのお付き合いをさせていただいています。このためクリエイターの方々に対しては、より信頼性の高いクライアントからのお仕事を紹介することができます。
一方で『月刊公募ガイド』は、デビューのきっかけを狙う多くのクリエイター志望者の方々から注目されています。『月刊公募ガイド』を足がかりに活躍するようになった現役クリエイターの方々も、大勢いらっしゃいます。このため企業・団体・自治体の方々に対しては、より多くの優秀なクリエイターの方々を紹介することができます。
ですから当社がクラウドソーシングに参入すれば、当社だけでなく、クライアント様にとってもクリエイター様にとっても大きなメリットがある事業になると判断しました。
Web制作会社の選定にあたり重視したポイント
- リニューアル前は、どのようにWebサイトを制作していましたか。
社内で制作していました。簡単な会社紹介くらいにしかWebを活用していませんでしたので、かなり昔に作ったページを、社員がときどき片手間で更新している状態でした。
- リニューアルを依頼するWeb制作会社を選定するにあたり、どのような点を重視しましたか。
主に3つの点を重視しました。
1. Webサービスサイトを新たに構築する技術力があること
今回のリニューアルには新しいWebサービスサイトの構築も含まれていたので、システム構築を含めた技術力があるかどうかを重視しました。
2. 「既成品のカスタマイズによるシステム構築」に対応すること
クラウドソーシングのシステムには、いくつかのパッケージ製品があります。こうしたパッケージシステムを活用することで、ゼロから開発するよりも安く、かつ短期間でシステムを構築することが可能です。ただ、いずれのパッケージシステムも、当社のサービスに採用するためにはある程度のカスタマイズが必要でした。ですので、パッケージシステムの組み込みやカスタマイズに対応する制作会社であることも要件でした。
3. デザインのクオリティが要求水準に達していること
多くのクリエイターのみなさんにご登録いただき、多くの企業・団体・自治体様にご利用いただけるサイトにするためには、デザイン面でも競合他社に負けないクオリティが必要です。ですので技術力だけでなく、デザイン力の高さも要件として重視しました。
ウェブラボを選んだ理由
- 条件を満たすWeb制作会社をどのように探しましたか。
まず全国のWeb制作会社が掲載されている年鑑に目を通しました。
当社の条件を満たしそうな制作会社は、ウェブラボを含めて約5社ありました。
これら約5社から見積りを取り、「パッケージ製品を使ったシステム構築」にそもそも対応していなかった会社や、価格が予算を上回っていた会社や、対応に不安があった会社などを外していき、ウェブラボを含む2社まで候補を絞りました。
- 最終的にウェブラボを選んだ理由は。
ウェブラボを採用した理由として一番大きかったのは、「パッケージ製品を使ったシステム構築」に対応する姿勢が、最も柔軟だったことです。
他のWeb制作会社がパッケージシステムの組み込みにまったく対応していなかったり、非常に制約の多い対応しかしていなかったりする中、ウェブラボは当社が希望するパッケージ製品を、当社の希望どおりにカスタマイズしてシステムを構築することを承諾してくれました。
もう一つ大きかったのが、『サイト職人CMS』の存在です。
「社内で簡単に更新できるかどうか」という点は、制作会社を選定し始めた当初はあまり重視していませんでした。しかし実際に『サイト職人CMS』に触れてみて、WordPressなどよりも簡単かつ自由にWebサイトの更新ができるシステムであることを知り、認識を改めました。『サイト職人CMS』を採用することで各部署のスタッフが自分でWebを更新できるようになることは、「コンテンツの充実」という観点からも、「スピーディーな情報発信」という観点からも、非常に望ましいと考えるに至りました。
月3万前後で推移していたページビューが1年で月55万まで上昇
- 『サイト職人CMS フルオーダープラン』でWebサイトをリニューアルした効果を教えてください。
リニューアル前は月3万前後で推移していたページビューが、リニューアル後一気に月20万まで上昇し、リニューアルから1年が経過した現時点(2015年12月)で月55万に達しています。
クラウドソーシングサイト「公募ワーク」は、既に1200名を超えるクリエイターの方々にご登録いただいています。
ページビューが増え、公募案件のWebへの掲載などでクライアントの方々とやり取りする機会が増えた結果、公募やコンテンスト等のプロデュース案件のお問い合わせや受注も増えるという副次効果も出ています。
サイトがスマートフォン対応になったことで、スマートフォンからのアクセスが約4割に達するようになりました。
各部署のスタッフが自分で更新できるのは想像以上に便利
- リニューアルから1年が経過した今、ウェブラボおよび『サイト職人CMS』への評価をお聞かせください。
Webの更新が社内で簡単にできるというのは、想像していた以上に便利ですね。
たとえば『月刊公募ガイド』編集部では、毎月9日の発売日に合わせて、今月号の特集の内容などを担当者が自分でWebにアップしています。
サポート体制も評価
- 他にはいかがでしょう。
サポート体制も評価しています。
リニューアル後、新コンテンツの追加やシステム上の変更が必要になった時、ウェブラボに依頼するといつもこちらの要望を的確に汲み取って対応してくれました。
最近は当社でもWebエンジニアを雇ったので、多くの作業を社内で完結できるようになっているのですが、それでもウェブラボの協力が必要になる場面はあります。そういう時もウェブラボの担当者は、当社のWebエンジニアや社外のベンダーと連携して的確に課題を解決してくれています。
紙媒体とWebの共存は十分可能
- Webへの進出を検討している出版社等の方に、何かアドバイスがあればお願いします。
紙媒体の部数減を恐れてWebへの進出をためらっている出版社は意外に多いと思いますが、紙媒体では獲得できなかった層の方々を新たにWebで獲得することも可能なわけですから、自信をもって新しいサービスに挑戦してよいのではないでしょうか。
当社の経験から言って、情報をWebに出し始めた後も紙媒体をお求めになる方は相当数いらっしゃるはずですので、「Webに情報を出すと紙の売上が落ちる」という点を過度に心配する必要はないと思います。
- Web制作会社の選び方について、何かアドバイスがあればお願いします。
Web制作会社ごとに特徴や得意・不得意はさまざまだと思うので、まずはWebサイトの目的をはっきりさせた上で、目的に沿った制作会社を選ぶことが重要かと思います。
当社のように「情報」や「マッチングサービス」の提供が目的になる場合、ウェブラボは間違いなく有力な選択肢の一つになると思います。
- 株式会社公募ガイド社様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。