さわかみ投信株式会社様
さわかみ投信は、Webサイトのフルリニューアルをウェブラボに依頼した。同社が目指したのは、「金融機関っぽくないデザイン」と「わかりやすさ」。それを実現するための制作過程やその後の状況などについて、リニューアルを担当した佐藤様(写真左)と甲賀様(写真右)に詳しく話を伺った。
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さわかみ投信の業態 〜 長期保有型投信を直接販売
- さわかみ投信の業態について教えてください。
佐藤:投資信託を運用し、販売を行う金融機関です。投資信託を販売している会社は他にもたくさんありますが、当社が他社と大きく違うのは、直接販売にこだわっている点です。それも、「良い運用は良い投資家顧客と共に」という信念のもと、長期保有型のオリジナル投信『さわかみファンド』をご提供し、一般家庭の方々の財産形成に役立つよう努めているところです。
- 直販ということは、Webサイト経由で来られるお客様も多いのですか。
佐藤:基本的に宣伝や広告を打っておりませんので、インターネットで当社のWebサイトを探してたどりついていただくのが、お客様との最初の出会いというケースが多いですね。また、当社代表の澤上篤人が著書も多く出していますので、それを読んだ方がインターネットで探し当ててくださることも多いです。
さわかみ投信では無理に営業に走ることはしておりませんので、Webサイトの役割はとても重要です。
リニューアル後、採用応募者数がすぐ1.7倍に増加
- リニューアルして半年経ちますが、その後の反響はいかがですか。
甲賀:Webサイト刷新後、すぐに数字となって表れたのが採用の応募者数です。リニューアルオープンしたのが2008年の10月末でしたが、2008年末の応募状況とその前年末の応募状況を比べると、1.7倍近いご応募をいただいています。今回のリニューアルで、採用ページもかなり充実させましたが、実際に面接に来ていただいた方からも、「そのページがわかりやすく、いろいろなことが伝わってきた」というお話を伺っています。
以前のWebサイトにも採用のページはありました。しかし、昔のものは見た目がかなり体育会系のイメージだったんです。今回、ウェブラボさんには、そういうところからトータルにきれいにしていただきました。もちろん、伝えるメッセージや内容は本質的には変わったわけではありませんが、やはり見せ方も考えないといけないのだと実感しました。
佐藤:採用のページには社員のインタビューも新たに載せて、等身大の人間が働いている雰囲気を、よく感じていただけるようになったと思います。社員のスナップ写真もうまく配置していただき、最初に公開された時、自分の写真が載っている社員は結構ビックリしたようです。社内的にも盛り上がっていましたね。
甲賀:採用以外では、ほぼ毎週末、全国各地で開催している勉強会の参加者の方も増えました。これもやはりWebサイト刷新の効果があったものと考えています。
リニューアルの目的と課題
- 今回のリニューアルで目指したのはどんな点でしたか。
佐藤:いろいろな側面があります。お客様の数がどんどん増えていくに従って、次第に投資の初心者の方も加わってくださるようになり、当社の投資信託について、広くご理解いただく必要がでてきました。「さわかみファンド」は独特な運用の仕方をしております。その差別化ポイントがなかなか理解しにくいこともあって、それをわかりやすく伝えたかったのです。
また、Webサイトで提供する情報を整理しておかないと、なかなか必要な情報までたどりついてもらえないという問題がありました。
ですから、初めてWebサイトに訪れた方にも親しみやすく、わかりやすいものにしていきたいと考えました。
甲賀:それから、以前のWebサイトは、社内のシステム担当者が手作り的に作っていました。今回、リニューアルするにあたっては、中身も含めてデザイン的にも刷新しようと、プロであるウェブラボさんにお願いしたわけです。
また、当社のWebサイトには、日常的に更新しなくてはならない部分があります。一方で、システム担当者の方にも日常的に抱えている仕事があるため、更新が遅れることもありました。ですので、その改善も一つの課題でした。
刷新の効果(1) 〜 パッと見が変わった!
- リニューアル前後の変化を順々に伺います。はじめに、デザインについてはいかがでしたか。
甲賀:まず、明らかにパッと見が変わりました。インターネットで商品を買う時などもそうですが、ちゃんとした会社かどうか、Webサイトの見た目で推しはかる部分があると思うんです。たとえば、デザインにしても、見せ方にしても、きちんとできるということは、会社として余力があると考えられます。特に当社は金融機関ですので、信頼感も重要です。先ほどの採用の応募数の増加ということも、信頼度が高まったことが少なからずあったものと理解しています。
佐藤:今回のリニューアルは、実はサブプライム・ショックとほぼ同じタイミングで行っています。金融業界はどこも厳しい状況です。でも、だからこそ、「信用できそうな会社」というイメージはとても大事だと思います。
それと同時に、あまり金融機関らしくない、親しみやすいページにしたいという希望がありました。そのへんのバランスというか、さじ加減は、実際の制作では非常に難しかったと思います。
加えて、社内的に色や絵柄に関しても、いろいろとこだわりがありました。特にトップページは、親しみやすさをアピールするため暖色系のオレンジ色にというところから始まり、何度も色やデザインをご提示いただきました。
おかげさまでトップページはかなり評判がいいんです。お客様からの印象だけでなく、同業他社の方からも、最初のブルーの色がすごくきれい、と言われますね。
こういうものがいい、という漠然としたイメージはあっても、やはり素人が言葉で表すのは難しい部分もあります。しかし、それを汲み取ってデザインし、形にする力というのでしょうか。ウェブラボさんのその提案力には、大変感謝しています。
刷新の効果(2) 〜 社内の担当者が、即、必要な情報を更新!
- 日常的な更新をスムーズにすることに関しては、どのようなソリューションを?
甲賀:ウェブラボさん独自のCMS導入を提案してもらいました。それによって、従来システム担当者がすべて更新していたものを、今では各担当の社員に分散することができました。たとえば、基準価額の更新、勉強会のお知らせページの更新など、各担当が自分の仕事として行えるので、更新のスピードはすごく上がりました。
佐藤:それから、法令や税制の変更により、今載せているコンテンツをすぐ変更しなければいけない場合もあります。これらもFAQにもCMSを入れたので、追加や編集がとても便利になりました。
今回導入したCMSは直感的に使えるものです。私のように全然HTMLの知識がなくても、決められたフィールドに打ち込んでボタンを押せば出来るので、本当に楽になりました。
- 今、実際にCMSで更新作業をされている担当の方達の評判はいかがですか?
甲賀:たとえば業務管理部で基準価額などを日々更新している社員は、「いや、これはすごい!」と、しみじみ言ってましたね。彼は趣味でホームページを作っているので、自分でもMovable TypeというCMSを使っているらしいです。でも、それよりずっと使いやすいということでした。
刷新の効果(3) 〜 情報の整理と充実
- 情報をわかりやすく伝えるということに関してはいかがですか?
佐藤:以前のWebサイトにあった既存の情報を整理するとともに、新しいコンテンツもかなり入れました。
新しく入れたコンテンツには、代表本人のメッセージや、お客様サポートのページ、採用のページ、英文のページなど、社内で分担して新たに書き起こした原稿もかなりあります。それから、「はじめてのお客様」のページも、既存のパンフレットをもとにウェブラボさんが、カラフルで見やすい形にまとめてくださいました。
さわかみ投信が目指すところや「さわかみファンド」のコンセプトは、なかなかうまく伝えにくい部分があります。ですが、ウェブラボさんでは制作にあたり、当社の資料や、当社代表の本をいろいろ読み込んでくださって、とても心強かったですね。
甲賀:当社の勉強会にも来てくれたのは、ほんとにビックリでした。
刷新の効果(4) 〜 情報のアクセシビリティがアップ
佐藤:情報へのアクセスという面では、ナビゲーションも非常によくなったと思います。昔のWebサイトではリンクを示すアンダーラインがあるだけだったり、どこを押していいのかわからない部分もありました。リニューアル後は見た目がきれいになっただけでなく、ボタンの色を統一するなど色によるナビゲーションや、関連するカテゴリーごとのまとめ方なども非常によくなっています。
以前は、「Webサイトだとわからないから電話した」というお客様からの問い合わせがたびたびありました。しかし、今は実際、それがかなり減っている印象です。やはり求めている情報にたどり着くということでは、今のほうが格段によくなっていると思います。
甲賀:どこのページがよく見られているのか解析した結果でも、現在はわりと広く平均的に見られている傾向がうかがえました。つまり、よく見られているページと見られていないページの差が少ないのです。やはり必要な項目を、必要な人が見るという感じだと思いますね。
工程表どおりに進められた制作過程
- フルリニューアルということでは作業量も多かったと思います。その制作過程はいかがでしたか。
甲賀:社内的には、原稿の執筆やチェックなど、社長を含む各担当者への締め切り督促もいろいろありましたが、それは佐藤が非常にうまかったんですよ。
佐藤:厳しいということでしょうか(笑)。2008年10月にリニューアルオープンということを決め、社を挙げて取り組んでいましたからね。
当社は金融機関ですので、金融商品取引法等の法令に従ってWebサイトも運営する必要があります。不当な勧誘と取れるような表現がないか、あるいはリスクの説明が甘くないかなどの観点で、コンプライアンス担当者の目も通さなければなりません。それにかかる時間を考えると、やはり前倒しで持っていかないと間に合わなくなってしまうので、そこは厳しめに管理しました。
ただ、制作の進行については、新しいWebサイトでつくるページの項目を全部リストにしていました。それで、いつまでに何を出さなければいけないのか、ウェブラボさんから最初に行程表をご提示いただいていたんです。ですからテキストの入稿だけでなく、デザインを決めるなどの作業もすべて、それに沿って進めていくことができました。また、CMSをどの部分に入れるか最初に決めておかないと、あとになって支障が出るということで、優先順位も決めていただきました。やはり専門家でないと、そういった順序はわかりませんから、ありがたかったですね。
締め切りはちょっと守れない時もありましたが、基本的には足りないものがあると、ウェブラボさんの担当の方から「あのページはどうなってますか?」とフォローしていただいたりもしました。
ウェブラボに制作を頼んでよかったこと
- そのほか、制作過程で他にお気づきになった点は?
甲賀:リニューアルの作業が立て込んでいた時期は、ウェボラボさんともう毎日のようにメールや電話で緊密に連絡を取り合っていました。その際、たとえば画像データ一つを頼んでも、トラブル対応に一つしても、本当にレスポンスが早く、とても助かりましたね。
佐藤:いろいろ無理を申し上げたこともあると思いますが、いやな顔一つせず、お付き合いいただきました。
また、われわれ素人の浅知恵で、よかれと思うものを出しても、技術的な面やデザインの配置について、プロから見ると「いや、それはやめたほうがいい」ということもあったと思います。しかし、「こういう場合は、こちらのほうがいいんじゃないですか」などと、いろいろと率直にご提案くださるウェブラボさんの姿勢とキャパシティーには、ずいぶん助けられました。クライアントの言うまま盲目的にやって、結果的にうまくいかないという場合も、一般的にはあると思いますし。
今後の期待 〜 心強いパートナーとして末永く!
- 今後、ウェブラボに期待するところをお聞かせください。
佐藤:末永くお付き合いいただきたい、ということですね。Webサイトは生き物ですので、これからもいろいろとコンテンツを増やしたり、なかには減らすものも出てくるでしょう。オープンしたらそれで終わりではなく、メンテナンスの面倒までずっとみていただけたらと思います。
甲賀:佐藤の繰り返しになりますが、やはりWebサイトは、完成してもそこからどんどん進化させていかないといけないものだと思っています。そういう意味では、心強いパートナーとして、本当にこれからも、よろしくお願いします。
佐藤:もう一つ。たとえば当社が、Webサイトの最新トレンドなどから次第に取り残されそうになったら、その時は「ちょっとこれダサイですよ」などと言ってください。そういうトレンドや最新の技術については餅は餅屋。やはりプロの方に言っていただけたらと思います。そのへんは頼もしいパートナーとして、今後ともよろしくお願いいたします。
さわかみ投信社屋前のソメイヨシノ。 |
ここの桜の写真は、Webサイト・会社情報のページにも使われている。 |
- 本日はお忙しい中、有り難うございました。