Webサイトで気をつけたい景品表示法
インターネット上には真偽問わずたくさんの情報が氾濫しています。
そうした中で嘘や大げさな表現にだまされないように過ごすためには、様々なメディアで情報の真偽を検証しなければならず情報リテラシーの低いユーザーにとっては難しいです。
そんなユーザーを不正な表示から守るために定められたのが景品表示法です。
目次
景品表示法とは
景品表示法は、大げさな表示や嘘を含んだ広告などによって消費者(ユーザー)が不利益を被らないように定められた法律です。
自社の商品やサービスを利用して欲しいという強い思いから訴求力のある表現をしようとすると、知らず知らずのうちに景品表示法に抵触してしまう可能性があります。Webサイト・Web広告運用者としては「知らなかった」では済まされない、景品表示法の基本をご紹介します。
【優良誤認表示】と【有利誤認表示】
景品表示法の大きな柱に【優良誤認表示】と【有利誤認表示】があります。
優良誤認表示とは産地や製法などを偽装して、実際の商品よりもすぐれたものであるかのように見せかける表示です。
養殖魚を天然魚と称して売ったり、化学合成コラーゲンを天然コラーゲン100%などと偽装したりするような表現が当てはまります。
有利誤認表示とは「限定100名」や「今月中の申込で基本使用料無料」などのように、実際には設けていない制限をあるかのように表現して取引条件を誤認させて販売するような表示を指します。
これらはいずれも景品表示法に抵触する危険性が高い表現です。
違反するとどうなる?
景品表示法に違反すると、消費者庁や公正取引委員会、都道府県などから注意や是正の指摘が入り、それに従わなかった場合、措置命令や課徴金の納付を命じられることもあります。
立ち入り検査の結果、違反が認められると処置命令が下されますが、処置命令に従わない場合、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金という重い罰則が科せられます。
大手企業がこのような措置を受けたというニュースを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。このような報道によってユーザーからの信用を損なうことは、サイト運営者にとって措置命令や課徴金よりも大きなダメージかもしれません。
これって景品表示法違反?
景品表示法の中でもWebサイトやWeb広告でとくに気をつけたい3つの事例を紹介します。
1)フリーミアム
無料でもサービスを利用できるが、課金するとオプションが使えるようになり、さらに多くのサービスを利用できるようになるビジネスモデルのこと。TVCMなどでよく見るゲームアプリは多くがこの形です。そのほかにはYouTubeやAmazonなどが有名な事例です。
ではフリーミアムのサービスでどのようなケースが違反になるかというと、「完全無料」や「無料で見放題」など一部有料のサービスがあるにも関わらず、全て無料で利用できるかのように捉えられる表現です。無料の範囲はここまで、追加のオプションは有料、といったようにユーザーに誤解を与えないよう気をつけましょう。
2)口コミサイト
口コミサイトとは、商品やサービスに対する評価や感想を一般消費者が書き込むサイトのことです。価格.comや@コスメなどが有名ですね。
口コミサイトで景品表示法に抵触する事案としては、事業者または事業者が委託した第三者に一般消費者を装った口コミを投稿させ、多くの好評価を得ているかのように偽装することが挙げられます。
顧客を誘引する手段として芸能人など有名人のブロガーやインスタグラマー、ユーチューバーなどに有料で委託し、実際には利用や購入の事実がない、あるいはあたかも競合商品よりも優れているものだと一般消費者に誤認させた場合、不当表示として扱われる可能性が高くなります。
3)フラッシュマーケティング
「期間限定価格!」と謳いながらも、実際には常にその価格で販売されているケースや、クーポンを利用して支払う場合、適用後に大幅に商品価格が値引きされるかのように表示しているケース、いわゆる「二重価格」ともいわれますが、こちらも不当表示として扱われます。
二重価格については以前のブログでも取り上げましたので詳しくはこちらをご覧ください。
参考:あなたのECサイトは大丈夫?「二重価格表示」のルール
まとめ
景品表示法に抵触するから過剰な表現は避けるべき、ということではなく、常にユーザー視点でわかりやすく、親切な表示を心がけることが重要です。
安全で便利な消費生活を守るために、一般消費者の視点を忘れずWebサイトの制作や広告の管理運用に携わっていきましょう。
関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。