キービジュアルに何を書くべきか
当社は、Web制作会社です。
Web制作という仕事は、ディレクターやデザイナーによって品質やトーンにどうしてもバラつきが出てきます。
そこで、会社としてアウトプットの品質を安定化させるために、ワークフローを体系化してマニュアルなどを整備したり、様々な取り組みをしています。
その中に、チームチェックという取り組みがあります。
Web制作には、プランニング、デザイン、プログラミングといくつかの段階がありますが、各段階でのアウトプットを、クライアントに提出する前に、その案件に関わっていない他のディレクターが、チェックするというものです。
デザインと納品前の最終チェックについては私も見るようにしています。
■先日、とある司法書士事務所サイトのリニューアルを担当している1年目のY君が、デザインチェックのメールを送ってきてくれました。
そのデザインのキービジュアルにあったキャッチコピーがこちら。
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依頼者と共に考え、共に歩むパートナー
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そして背景画像に美しい森の木々の写真。
会社案内ならともかく、成果を出さないといけないサイトで、こういうデザインを作ってはいけません。
私はこういうデザインを「会社案内デザイン」と呼んでいます。
■さっそくY君を呼んで話をしました。
私「あれほど新人研修で、こういうデザインをやってはいけないって言ったのに、何でこういうデザインがあがってくるの?」
Y「クライアントの指示だったんです。
文言も写真もこれを使って欲しいと具体的に指示されました」
私「でも、これだと結果出ないよ。
なぜダメか、ちゃんと話をしたの?」
Y「いえ、していないです」
私「ならば、ウェブラボとしての案をもう1つ作って、両方提出しよう。
提出する時は、なぜその案を作ったのかきちんと説明して、クライアントにどちらにするか決めてもらおう」
■トップページのキービジュアルはそのサイトの第一印象を決める最も目立つ部分です。
多くのサイトがやってしまいがちなのがY君のクライアントのような“会社案内デザイン”です。
それだと、いくつもある競合他社の中から選んでもらえなくなります。
キービジュアルには、
お客さんが御社を選ぶ理由=ベネフィット
を書くのが基本です。
写真は、レンタルフォトでも良いですが、少なくとも何屋さんなのかが分かるものでなければなりません。
森の木々や青空、高層ビルや握手の写真のようなありきたりな写真はNGです。
御社のWebサイトのトップページには御社のお客さんが御社を選ぶ理由、ベネフィットが表現されていますか?
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。