ウェブラボ代表の山浦が、
Web担当者・経営者・起業家に向けて配信するコラム

Webを集客に活用したい人のための
Webサイト・マネジメント術

最新のトピックや実務家ならではの身近なちょっとした疑問に回答しています。

Webサイトの原稿が書けない時の対処法

2021.05.09

原稿が書けない

Web制作で最大の関門が原稿の準備です。
ライターさんを立てて書いてもらう場合は良いのですが、クライアント(Web制作の発注者)が書く場合の方が多く、よくWeb制作のスケジュール遅延の原因になります。

 

 

以前に、当社の創業期からお付き合いのある社長さんから、新規のWebサイトを制作したいとご依頼をいただいた時のこと。
その社長さん、いつもは原稿執筆を外注するのですが、その時はご自分で書くと決意されました。しかし、とても苦戦されて、打合せの時に「なかなか原稿が書けなくてさ・・・」と言われました。

 

そこで、その社長さんに質問してみました。

 

 

私:「どんな人に向けて書こうとしているんですか?」

 

社長:「決まってるでしょ。うちの見込み客だよ」

 

私:「もしかして、見込み客全員に書こうとしていませんか?」

 

社長:「もちろん見込み客に向けて書こうとしてるよ」

 

私:「“見込み客”じゃなくて、一人に向けて書いてください」

 

社長:「ん?どういうこと?うちは別に一人の客だけを相手にしている訳ではないし、実際にいろんなお客さんがいるし」

 

私:「社長は一人一人と話をするのはすごく上手いじゃないですか。でも、いろんな人の集団全員に刺さる話をするのって難しくないですか?」

 

社長:「確かに」

 

私:「実際に御社の見込み客ってどんな人ですか?」

 

社長:「う~ん。40代の男性が一番多いけど、50代や20代もいるよ」

 

私:「40代が一番多いんですね。その中で一番典型的なお客さん一人に向けて書いたらどうですか?」

 

社長:「典型的なお客さんねぇ」

 

私:「実際のお客さんで誰かいませんか?典型的な、もしくは理想的なお客さん」

 

社長:「いる。佐藤さんっていう創業した初期のころからいるお客さん」

 

私:「その人って、どんな悩みを持ってて御社に問合せしたんでしょうか?その悩み・質問をまず列挙してみましょうよ。社員さんにも協力してもらって。質問が出てきたら、あとはいつものように社長はその質問に答えて、それを文章に起こして整えるだけです」

 

 

■このようにターゲットとなる人を具体的に「1人」想定してメッセージを考えたりすることをマーケティングでは「ペルソナ」と言います。もともとは「仮面」という意味らしいですが、マーケティングでは典型的なユーザー像のことを言います。

 

集団を前にスピーチをするのは非常に難しいです。たぶん、漠然としたつまらない話になりがち。

 

でも1人が相手なら、話もしやすいし、その相手が聞きたい話、役立つ話ができます。そして、その話は似たような境遇の人も聞きたい話だったりします。

 

例えば、あなたも、セミナーなどに参加した時、本編のセミナーより、最後の質疑応答の方が記憶に残っているなんていう経験ありませんか?

 

 

■Webサイトの運営をしているととにかく文章を書かなければならない機会が多いですよね。
何を書けば分からなくなった時は具体的な1人をイメージして、その人の“質問”からスタートすると書けることが多いです。
そんな時は、ぜひ試してみてください。

山浦 仁

山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役

大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。

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