話題のウェアラブルデバイス、ホームページにも影響?
ついに日本でも「Apple Watch」の販売が始まりました。数年前から「iWatch」という名前で噂になっていたApple製のスマートウォッチです。iPhone以来の目新しいデバイスを、待ち焦がれていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Apple Watchには時計機能はもとより、電話をかける・音楽を聴くといった機能に加え、LINEやTwitter、Amazonなどの普段良く使うようなサービスのアプリもリリースされており、かつてのiPhoneのように今後より広く普及していくのではないかとも言われています。
Apple Watch以外にも、Googleが提供しているAndroid OSを搭載したスマートウォッチ(Android Wear)なども含めると、既に多くの商品が市場に登場しています。また、腕時計型以外にも、Google Glassに代表されるスマートグラスの存在もあり、それらは「ウェアラブルデバイス=身に付けられるデバイス」といった総称で知られています。
今回はウェアラブルデバイスについて取り上げたのち、この新しいデバイスに対し、ホームページ担当者が気をつけておくべきポイントについても考えてみましょう。
ウェアラブルデバイスは「サードウェーブ」ではない
話はやや逸れますが、Apple Watchの登場と時を同じくして、カリフォルニア・ブルーボトルコーヒーの日本進出とともに、「サードウェーブコーヒー」という言葉が話題になりました。サードウェーブは文字通り、第三の波という意味の言葉です。第三のビール、第三の洗剤など、第三の○○やサードウェーブ○○という呼称が最近注目を集めています。若者の間では「サードウェーブ系男子」なんていう言葉も流行り始めていますね。
さて、それではウェアラブルデバイスが果たしてデバイス界のサードウェーブ、つまりPCを第一の波、スマートフォン/タブレットが第二の波とした際の「第三の波」になるかといえば・・・その答えは、NOです。
Apple Watchはそもそも、iPhoneとのペアリング(連携)が必須のデバイスです。Apple Watch単体で利用することは基本的には出来ません。その他のウェアラブルデバイスの中には単体で機能するものもありますが、多くのアプリケーションがPCまたはスマートフォンとの連携を前提としているため、結局のところ何かしら他のデバイスとペアで使わざるを得ません。
それでは何故ここまで注目を集めているのでしょうか?それはウェアラブルデバイスがこれまでのデバイスの延長ではなく、全く視点の違う新機能、これまでには実現できなかった機能を搭載しているためと考えられます。
Apple Watchをはじめとしたスマートウォッチには、脈拍や消費カロリー、または睡眠周期まで、「腕に巻いている」という特徴を活かした機能が多数あります。これはPCやスマートフォンでは実現が難しかった新たな拡張機能です。
Google Glassにはさらに上を行く、夢の詰まった機能が予定されていました。Drive Safe(ユーザーの視線を感知して、運転中の睡眠を防止するアプリ)や、Acemoda(道行く人のファッションを取得し、その服が売られているショップを検索するアプリ)などはまさに近未来の発明です。プライバシーの問題により、一般向け販売が中止になったことが惜しいプロジェクトです。
つまり、ウェアラブルデバイスはPCやスマートフォンの進化形ではなく、これまでのデバイスの機能を拡張し、全く新しい機能を実現するためのデバイスと考えるべきです。Apple Watchを買ったからスマートフォンなんていらない、ということは現状では考えられません。
ホームページ担当者が気をつけるべきこと
ウェアラブルデバイスはPCやスマートフォンと全く別のデバイスと考えるべき理由はもう1つあります。それはウェアラブルデバイス(とりわけ現在実用化されているスマートウォッチ)に、ブラウザが装備されていないという点です。
Apple Watchがリリースされる際、Appleの公式ブラウザ「Safari」がビルドインされなかったことは衝撃的でした。それはまさに、Apple WatchがMacbookやiPhoneの代替品ではないことを表しています。
つまり現状、ホームページ担当者がウェアラブルデバイスに関して気をつけるべきことは一切ありません。スマートウォッチ向けのホームページを作る必要も、もちろんありません。
しかし、今後の流れについては注意深く見ていく必要があります。少しのきっかけによって、常識はあっという間に塗り替えられます。かつてスマートフォンが登場した際、「こんな小さな端末でホームページを見れるわけがない!」と批判していた人がいたことを忘れてはなりません。
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