“自分でやった方が早い”病
先日、長いお付き合いをさせていただいているデザイン会社社長のFさんと食事しました。
相変わらず忙しそうです。
むしろ、最近はちょっと忙しすぎるのです。
たまに、「こんなことしたいんだよね」とお話をいただくのですが、プランニングをしてあげても、結局、Fさん自身が忙しすぎて、プロジェクトが全然進みません。
その会社で一番忙しいのは、明らかにFさん。
なぜ忙しくなったのか私は知っています。
会社の規模(社員の人数)が大きくなるほど、Webからの問い合わせが増えれば増えるほど、Fさんは忙しくなるのです。
新規の問い合わせへの対応、案件のプランニング、その他会社のさまざまな決定事項、すべてFさんを通して行われています。
部下の方ともよく話をしますが
「Fが忙しくてつかまらず、仕事がなかなか進まない」
と言います。
明らかにFさんは仕事を抱えすぎです。
もっと部下を信頼して、信頼できないなら育てて仕事を振っていかないといけません。
新規問い合わせへの対応一つとってみても、やはり一番営業力があるのが社長ですし、社長は1件の問い合わせを得るためのコストや労力を一番分かっていますから、部下に任せづらいのは私もよく分かります。
でも、新規の問い合わせ対応は、社員が20人もいる会社では社長の仕事ではないと思うのです。
社長は“会社の未来を作る仕事”をしなければならないとよく言われます。
新規の問い合わせ対応は社員ができるように教育するとか、トークスクリプトやマニュアルを作り、新規の問い合わせ対応という仕事を、Fさんから切り離していかないといけません。
仕事を部下に振るというのは、社長だけではなく、部下を持っている全ての人に当てはまるのではないでしょうか。
正直、ちょっと面倒くさいです。
たぶん“今”だけを見れば、絶対に自分でやった方が早いし確実。。。
でも今ちょっと面倒くさいのとこれからずっと面倒くさいのとどちらが良いですか?
という話なのです。
私は、とても面倒くさがりやなので、いつも仕事で心がけているのは後でもっと面倒くさくなるなら少し面倒くさくても今やってしまおうということです。
そうすることで、空いた時間で他の仕事ができるようになるし、会社の成長のためにはその方が良いのです。
それに部下も仕事を振って欲しいのです。
成長したいから。
でも、困ったことに、そのFさん、今自分が会社の中で一番忙しそうに見える状況がどうやら好きみたいです。
その仕事を手放しても、やっぱりその会社で一番忙しいのはFさんなんですけどね。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。