見えない部分の設計
2017.10.10
先週水曜日、当社会議室でindeedの勉強会を行いました。
少人数の勉強会は、コミュニケーションが密にとれて良いですね。
なかなか時間が作れないのですが、また違うテーマでやってみたいと思っています。
■さて、今私はECサイトを運用しているクライアントからご依頼をいただき、ECサイトの使い勝手改善と、更新作業の効率化に関するコンサルをしています。
そのECサイトは毎週、多い時は週に2〜3回キャンペーンを行っていて、非常に更新頻度の多いECサイトです。
リニューアルしてから3年以上経ったそうなのですが、キャンペーンの頻度も商品数もお客さんの数も増えてきて、それに伴い、情報が錯綜したり、更新がしづらくなったりして、作業ミスなども出てきてしまっているという状況でした。
ECサイトの使い勝手に関する改善提案はクライアント自身が良いアイデアをお持ちで、スムーズに仕事が完了したのですが、運用については改善余地がありそうです。
特に私が注目したのは、ファイル管理の方法でした。
■たいてい、グチャグチャなプロジェクトというのは、情報が錯綜していて整理できていなかったりするのですが、サーバの中を覗いたら、サーバの中のファイルもグチャグチャになってしまっていました。
これでは、以前に使った必要なファイルを探すのも一苦労なはずです。
このECサイトは、毎週のようにキャンペーンを打っていくような更新頻度の高いサイトです。
本来、こういう場合は、作ったその時点だけではなく、今後毎週いくつも更新をしていくことや、それが何年間も続くということを念頭に置いて、フォルダ名やファイル名のルールを決めていかなければなりません。
■1つのキャンペーンを行うと、そのキャンペーンページだけでなく、そのキャンペーンページに付随する画像ファイルや、トップページやサイドナビ貼るバナー画像などがどんどん増えていきます。
例えば、このキャンペーンに関わるファイルを、サイトの設置場所毎にフォルダをまとめるのか、それともキャンペーン毎にまとめるのかで使い勝手はかなり変わります。
さらに、フォルダやファイル名はどういうルールで作っていくようにするのか、(例えばフォルダ名を“年月+イベント名”にするとか)こういったルールをきちんと決めておくと、後々ファイルを整理する時や、また同じようなキャンペーンをやる際に昔のファイルを探しやすくなります。
些細なことですが、何年もサイトを運用していくと、こういったことが“塵も積もれば・・・”で、ボディープローのようにジワジワと効いてきます。
■こういう問題は、設計者が運用する人のことを考えずに設計することで起こります。
設計する人、制作する人、いわゆるクリエーターは、サイト制作のしやすさを優先しがちです。
そうすると往々にして設置場所ごとにファイルの保管場所を作りがち。
でも運用する人は、恐らくキャンペーン毎にまとまってくれていたほうがたぶん嬉しいはず。
当社の社員には、運用者に思いを馳せられるクリエーターになって欲しいです。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。