ユーザーの理解を進めるGoogle検索のAI技術について
2022.12.08 Posted by hosobuchi.m
Googleは公式ブログの中で、Google検索に利用している4つの主要AI(人工知能)について解説しました。これを機会にGoogleが採用している検索AIについて少し理解をしておきましょう。
今回は、ユーザーの理解を進めるAIとして4つの主要な検索AIについてわかりやすく解説していきます。
RankBrain
RankBrain(ランクブレイン)は、2015年にGoogleの検索エンジンに採用された検索AIです。RankBrainは、現実の世界の概念と検索に使用される単語の関係性を広く理解できることが特徴です。これによって、人間には意図が伝わっても、機械には具体的な意図がわからなかった質問の意図の理解ができるようになりました。
RankBrainのような意図を理解するような検索AIの機能は、Google検索上の新しい検索への対応に利用されます。つまり、新しいキーワードでの検索あった場合、どういった意図で検索し、何を知るために検索しているのかを理解するのに役立つということです。
また、RankBrainは、すべての言語におけるランキングの決定に大きく使われている、大きな役割を持った検索AIです。
Neural matching
Neural matching(ニューラル マッチング)は、2018年にGoogleの検索エンジンに採用された検索AIです。基本的にNeural matchingは、Web上での運用を予定し、開発されましたが2019年には、ローカル検索(※)にも採用されることになります。
Neural matchingは、Webページや検索クエリに含まれるあいまいな表現の意図を理解し、その意図に応じた対応を可能にします。たとえば、検索クエリに対して、質問に関する単語が含まれていなかったとしても、検索対象となるページを表示できるのは、Neural matchingの仕組みがあるからです。
Neural matching は、RankBrainと同様にすべての言語におけるランキングの決定に利用されており、30%の検索クエリに影響しています。
※ローカル検索とは…2020.03.05『ローカルSEOを強化!「NAP」を統一する際の3つのポイント』
BERT
BERT(バート)は、2019年にGoogleの検索エンジンに採用された文脈と意味を理解するための検索AIです。BERTによる検索AIは、自然言語処理の技術の成長を大きく高めることにつながります。
BERTがあれば、検索単語の組み合わせが複雑でも、その意図や文脈を正しく理解できます。BERTがなかった以前は、考慮の必要がないと思われていた検索単語でも、ある特定の単語を含めるか、含めないかで検索意図が変わります。そのため、BERTは、その特定の検索単語を検索クエリに応じて含めるのか、含めないのかを判断し、正しい検索意図を導くことに貢献しています。
BERTも同様にすべての言語におけるランキングの決定に利用されており、特に英語において検索結果の取得とランキングに大きな役割を担っています。
MUM
MUMは、2021年にGoogleで発表された情報理解のための検索AIです。MUMのAIの技術は、BERTの1000倍優れているとGoogleが誇るほどで、その技術の高さに多くの人が注目しています。
MUMは、多様なタスクと75言語を同時学習し、世界と情報について広く理解していきます。MUMの技術は、言語理解にとどまりません。新しい言語を創出することが可能となっています。
また、情報理解については、画像はもちろん、音声、文字、動画など、コンテンツの種類を問わず、理解することが可能です。これほど優れた検索AIですが、開発運用の初期段階のため、検索エンジンで本格的に採用されていません。しかし、今後、MUMは、Google レンズを基盤として新しい検索体験を提供してくれるでしょう。
【まとめ】強化されるユーザーファースト
SEO、MEOに力を入れるのなら、検索AIについての理解を深めることで、Googleの方向性について理解できるようになります。また、AIを理解すると、Googleがどんどんユーザーファーストに成長しているのが分かります。
特に、MUMによる検索AIが本格的に採用されれば、検索体験はもちろん、SEO対策の仕方も大きく変わってくるでしょう。文字はもちろん、画像や動画などコンテンツの種別を問わず、状況提供が可能な現代では、常にユーザーへの情報の見せ方について考えていく必要があります。
改めて、Googleが求めるコンテンツとは何なのか、ユーザーへ提供するべき情報とは何なのかを考え、上位表示できるように対策を考案していきましょう。
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