Webマーケティングにも使える「ペルソナ」とは?
2021.02.05 Posted by watanabe.k
皆さんは「ペルソナ」という言葉をご存知でしょうか?マーケティング関連の仕事経験がある場合、ほとんどの方にとっては馴染み深い言葉でしょう。
ペルソナは、ホームページ制作におけるWebマーケティングをはじめ、あらゆる仕事に活用することができます。
そこで今回は、初心者向けにペルソナとは何か解説していきます。「ターゲット」との違いやペルソナマーケティングの重要性、ペルソナの設定方法などにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ペルソナとは
まず、ペルソナとは何か、簡単にご説明します。
ペルソナとは、「自社の商品やサービスを使用する架空のユーザー像」を意味します。自社商品を使ってくれる典型的なユーザー像を設定することで、マーケティング戦略の方向性が決まり、具体的な施策を考えやすくなります。
詳しくは後述しますが、ペルソナの設定においては「リアリティ」が重視されます。性別・年齢・居住地・職業・収入・家族構成から、趣味・価値観・ライフスタイルまで、様々な設定を細かく行い、できるだけリアルな人物像を定めます。
そもそもペルソナという言葉は、ラテン語の「persona」に由来します。当時は、古典劇で役者が被る「仮面」のことをペルソナと呼んでいたそうです。その後、有名な心理学者であるユングが「人間の外的側面・表面上の人格」のことをペルソナと定義しました。
そして現代では、上述のように「架空のユーザー像」を示すマーケティング用語として、ビジネスで幅広く用いられています。
「ターゲット」との違い
「ペルソナ」と「ターゲット」の違いについて、疑問に思う方も多いでしょう。
どちらも「商品やサービスを利用するユーザー像」を示す点は同じです。しかし、人物像に関する「設定の深さ・具体性」が異なります。
ターゲットの場合は、以下のように、比較的大まかな人物像を設定します。
- 「30代女性、専業主婦」
- 「50代男性、会社員、ゴルフ好き」
一方で、ペルソナの場合は、より深く・より具体的に人物像を設定します。
「田中優子、34歳、女性、専業主婦、埼玉県在住、3人家族(夫36歳・娘6歳)、趣味はヨガ。週に2回スポーツジムやヨガに通っている、健康的な食生活を心掛けている」
といった感じです。
ペルソナマーケティングとは
続いて、「ペルソナマーケティング」について簡単に解説していきます。
ペルソナマーケティングとは、ペルソナを設定し、その人物のニーズを満たすように商品やサービスを開発したり、販売戦略を考えたりするマーケティング手法です。
自社の商品やサービスを利用する架空の人物像、つまりペルソナを明確に設定することで、マーケティング戦略の方向性が定まります。また、商品コンセプトも曖昧にならず、特徴のはっきりとした商品が出来上がります。
プロジェクトの進行もスムーズになるので、実際、多くの企業がペルソナマーケティングを実施しています。
ペルソナマーケティングの重要性
ターゲットとなる人物像が明確になっていない場合、マーケティングは上手く進みません。商品コンセプトも曖昧になってしまうので、プロジェクトメンバー全員が同じ方向を向けなくなってしまいます。
そこで必要なのがペルソナマーケティングです。ペルソナを効果的に設定することで、ターゲットとなる人物像を細かく共有できるようになるので、マーケティングの成功確率が上がります。
また、ペルソナマーケティングには、以下のようなメリットがあります。
- ユーザー目線でニーズを分析できる
- 組織内で顧客のイメージを統一できる
- 時間コストを削減できる
ユーザー目線でニーズを分析できる
上述の通り、ペルソナマーケティングでは、ペルソナのニーズを満たすように商品やサービスを開発し、販売戦略を考えていきます。そのため、設定したペルソナの生活や購買行動に関して、あれこれと思いを巡らす必要があります。結果的に、自然とペルソナ目線でニーズを導き出せるようになります。
組織内で顧客のイメージを統一できる
ペルソナを細かく設定することで、組織のメンバー全員がターゲット像について同じイメージを持てるようになります。ゆえに、意思疎通がしやすくなり、何らかのトラブルが発生する可能性も低くなります。
時間コストを削減できる
ペルソナ設定を通してマーケティング戦略や商品コンセプトが固まることで、その後の方針も明確になり、プロジェクトがスムーズに進みます。そのため、時間コストの大幅な削減につながります。
ペルソナの設定方法
続いて、「ペルソナの設定方法」について解説します。
自社分析を行う
まず、自社分析を行います。
自社や自社商品の強み・弱み、市場動向などについて、入念に分析を行ってください。3C分析やSWOT分析が最適でしょう。
データ収集を行う
続いて、データ収集を行います。
細かいペルソナは決まっていなくても、ざっくりとしたターゲット層は決まっている場合、そのターゲット層に対して、アンケートやインタビューを実施してください。そして、商品設計に必要な情報を集めてください。
ペルソナを細かく設定する
自社分析を行い、必要なデータを集めたら、いよいよペルソナを考えていきましょう。しかし、ペルソナ設定に慣れていない場合、いきなり作成するのは難しいと思います。その場合には、以下の項目を参考にしてみてください。
- 名前
- 性別
- 年齢
- 居住地
- 学歴
- 職業
- 役職
- 収入
- 家族構成
- 既婚か未婚か
- 趣味
- 価値観
- 日課
- SNS
ペルソナを設定する際の注意点
最後に、「ペルソナを設定する際の注意点」について解説します。具体的には、以下の2点です。
- サイコグラフィックも考える
- 主観や理想を入れない
サイコグラフィックも考える
ペルソナを細かく設定するためには、デモグラフィックだけでなく、サイコグラフィックも考える必要があります。
デモグラフィックとは、性別・年齢・居住地・職業・家族構成など、人口統計学的な属性情報のこと。一方で、サイコグラフィックとは、趣味・価値観・ライフスタイルなど、心理的な属性情報のことです。
デモグラフィック情報だけでペルソナを設定してしまうと、ターゲット像にリアリティが生まれません。そのため、必ず、サイコグラフィック情報も設定するようにしてください。
主観や理想を入れない
また、ペルソナ設定では、主観や理想を入れないように注意してください。
担当者の個人的な思い込みや先入観でペルソナを作成してしまうと、後々、大きなズレが生じます。ゆえに、信頼性の高いデータをもとに、客観的なペルソナを設定してください。
まとめ
今回は、初心者向けにペルソナの基礎知識について簡単に解説しました。ぜひ当記事を参考にしながら、ペルソナに対する理解を深め、効果的なペルソナマーケティングを行ってみてください。
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