レベニューシェアという契約形態
通常は200万円の制作費がかかるホームページ制作プロジェクトがあったとします。制作会社は、制作が終われば200万円を請求して、そのプロジェクトは終了です。運用にあたっての更新作業は、都度作業に応じて別途御見積という形になります。
レベニューシェアでは、
通常の請負契約よりもレベニューシェアが良いとされる点は、クライアント(発注側)は初期投資に係るリスクを減らすことができる点と、制作側は成果を出せばより大きなリターンを得られる可能性が出るという点です。
個人的には、サイト運営に深く関わることができるので、レベニューシェアは面白いと感じています。実際に、当社では2件ほど、この契約形態でサイト運営を行っている案件があります。
非常に良さそうな契約形態ですが、注意すべき点がいくつかあります。
制作側にとっては、できるだけ早くサイトを軌道に乗せて、売上を立てていきたいところです。運用にあたっての更新作業は担当しつつも、商品の仕入れや販促活動の基本的な決定権は、基本的にはクライアントが握っています。もしかしたら、他のもっとお金になるプロジェクトに時間と労力を割かれて、当該案件に時間と労力を割いてもらえなくなるかもしれません。クライアント側の都合で、季節商品が揃えてもらえない、販促活動ができないなどの理由で、思うように売上が立たず、結局、いつまでたっても満足な成果報酬が得られないという不安とは常に背中合わせです。
逆に、クライアント側にとっても、制作側が、目の前のすぐに売上になる制作案件を優先して、当該案件を後回しにしてしまうという不安が残ります。
そういったお互いの不安をできるだけ解消するには、毎月どんなことをやっていくのか、あらかじめ取り決めておくことが大切です。
例えば、次のようなことです。
■毎月○万円の範囲でキーワード連動広告を出す。予算はクライアントが出し、管理が制作会社。
■月1回メルマガを発行する。原稿はクライアント、発行作業は制作会社。
もちろんWebサイトは運用してみて始めて分かることが沢山あります。ですので、その都度柔軟に対応しなければなりませんが、放ったらかしにしていて勝手に結果が出るようなものではないので、お互いの信頼関係に基づいて plan → do → see を繰り返していく必要があります。
SEO対策等も、成果報酬型のサービスが増えてきたので、ホームページ制作に関してもレベニューシェアのような成果報酬型のサービスが増えていくかもしれませんが、きちんとレベニューシェアを機能させるには、上記のような注意点を踏まえつつ、クライアント側にも制作側にもサイト運営に対して、より高いリテラシーが要求されると思います。
関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。