cookieって何?役割と注意点を解説
2021.06.09 Posted by Coding_team
皆さんは、インターネットを使用している際に、「cookie(クッキー)」という言葉を目にしたことがあるでしょうか。「cookieの使用を許可しますか?」「cookieを有効にしてください」などの警告文が表示されたことがある人も多いでしょう。
しかし、cookieとは何なのか、しっかりと理解している人は多くありません。cookieは、現代のインターネット社会において必要不可欠な仕組みであり、私たちは知らず知らずのうちにその恩恵を受けています。
特にホームページ運営者やWebマーケティング担当者であれば、cookieについてある程度の知識が必要になるでしょう。そこで今回は、cookieの基礎知識について分かりやすく解説していきます。cookieのメリット・デメリット、キャッシュとの違いなどにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
まずは、cookieとは何か、簡単に解説していきます。
cookieとは、一言で言うと、ホームページにアクセスした履歴やログイン時の入力内容などを記録する仕組みです。
cookieには固有のIDが記載されています。そのIDを識別することで、特定のホームページに複数回アクセスしたときに、同じユーザー(同じブラウザ)であることが分かります。
例えば、あるホームページに訪問した場合、以下のような流れでcookieが利用されます。
- ホームページにアクセスする
- ホームページを提供しているサーバからブラウザに対してcookieが送られる
- 一定期間ブラウザでcookieが保管される
- 再び同じホームページにアクセスする
- ブラウザに保管されていたcookieがサーバに送られる
- サーバは、cookieをもとにユーザー(ブラウザ)を特定する
このような仕組みにより、一人ひとりのユーザーに合わせたコンテンツが表示されたり、前回の続きからホームページを閲覧できたりするわけです。
cookieは、以下の2種類に大別することができます。
- ファーストパーティーcookie
- サードパーティーcookie
ファーストパーティーcookieとは、アクセスしたホームページのドメインから発行されるcookieのこと。そのホームページ内における閲覧履歴やログイン情報などを保管するために利用されるのが一般的です。
一方で、サードパーティーcookieとは、アクセスしたホームページ以外のドメインから発行されるcookieのこと。「ドメインを横断できる」という特徴を持っています。どのホームページにアクセスしても、自分の趣味嗜好に合ったような広告が表示されるのは、サードパーティーcookieによるものだと言えます。
cookieの代表的な使用例を紹介します。具体的には、以下の3つです。
- ECサイトでの購入履歴やカートのデータの保存
- ログイン時のIDやパスワードの保存
- ユーザーのアクセス履歴に応じた広告を表示
1.ECサイトでの購入履歴やカートのデータの保存
インターネットの発展やPC・スマホの普及により、ネットショッピングを利用する人が増えました。皆さんも、ネットで何かを購入した経験があるのではないでしょうか。
ECサイトでは、自分の購入履歴をもとにおすすめの商品が表示されることがあります。また、以前カートに入れた商品が、そのままカートの中に残っていることもあるでしょう。これらはcookieを利用した仕組みであり、ネットショッピングの利便性を格段に高めています。
2.ログイン時のIDやパスワードの保存
ホームページやアプリにログインする際には、IDとパスワードを入力するのが一般的です。しかし、ログイン画面を開いたら、自動的にIDとパスワードが入力されていた経験がある方も多いでしょう。
これは、cookieによってログイン情報が保存されているからです。IDとパスワードを入力する手間が省けるので、ストレスなくログインをすることが可能です。
3.ユーザーのアクセス履歴に応じた広告を表示
どのホームページにアクセスしても、自分が興味のある分野の広告が表示される、という経験はないでしょうか。これは、cookieに保存されているアクセス履歴などをもとに、趣味嗜好に沿った広告が表示されているからです。
例えば、サッカーのニュースサイトをよく閲覧しているとしましょう。この場合、たとえサッカーとは関係のないホームページにアクセスした際にも、サッカー関連の広告が表示されることが多いです。
ホームページを運営している際に、「キャッシュ」という言葉を目にする機会があると思います。cookieとキャッシュを混同してしまっている人も多いでしょう。そこで以下では、cookieとキャッシュの違いについて軽く触れておきます。
どちらも、「データを一時的に保存する」という機能は共通しています。しかし、保存するデータが大きく異なります。
cookieの場合、ホームページにアクセスした「ユーザーの情報」を保存します。
一方で、キャッシュの場合、アクセスした「ホームページの情報」を保存します。
通常、ホームページにアクセスした際には、そのページのデータをダウンロードしなければなりません。しかし、そのページの画像情報やテキスト情報を「キャッシュ」として保存しておけば、再アクセスした際にダウンロードするデータ量が減るわけです。この機能のおかげで、ホームページの表示速度が上がります。
続いて、cookieのメリットについて解説します。
ユーザー目線で考えた場合、より快適にインターネットを利用できる点が最大のメリットでしょう。ログインの際にIDやパスワードを入力しなくて済んだり、ショッピングカートの中身を保存できたりします。
また、ホームページ運営側の目線で考えた場合、以下のようなメリットが挙げられるでしょう。
- ユーザーに合わせたコンテンツを提供できる
- リターゲティング広告などに活用できる
- アクセス解析の精度が上がる
最後に、cookieのデメリットについて解説します。
ユーザー目線で考えた場合のデメリットは、情報漏洩や不正利用の危険性です。例えば、複数の人間が使う共用パソコンでIDやパスワードを入力した場合、cookieを削除しなければなりません。cookieが削除されていなかった場合、IDやパスワードの情報が残ってしまい、悪用される危険性があります。
また、ホームページ運営側目線で言うと、「ユーザーに不快な印象を持たれる可能性がある」というデメリットが存在します。
上記のようなデメリットを理解した上で、適切にcookieを活用していきましょう。
まとめ
cookieの基礎知識について簡単に解説しました。ぜひ当記事を参考にしながら、cookieの仕組みを理解し、Webマーケティングなどに役立ててください。
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