理不尽な仕事
2016.06.03
慣れないテント生活2日目。
なかなか寝付けず、やっと眠りに入ったと思ったら、すぐに「カン!カン!カン!」という敵の襲来!?を告げる鐘の音が騒々しく鳴り響いた。
そして、「すぐに表に整列せよ!」と上官の怒鳴り声が聞こえてきた。
訳もわからず、慌てて、靴下も履かず、素足に靴を履いて同じテントに寝ていた同期と一緒にテントの前に整列した。
まだ、外は真っ暗。
いったい何時なんだろう。
全く状況が良くつかめない。
私の横に整列している同期もみんな何があったのか分からず理解に苦しんでいるようだった。
我々が戸惑っていることなんか全く無視して
「隊列を崩さず隊員の後に続け!」
という上官の命令がグランドに響き渡ると、前にいた隊員が走り始めた。
我々も先導する隊員の後に付いて駐屯地のトラックを走り始めた。
掛け声を唱和しながら整列して走るなんて野球部の練習以来。
このまま駐屯地のトラックを何周か走って終わりかなと思ったらそのまま駐屯地の外に出て、大通りを走り始めた。
「えっ、どこに行くの?」
走り始めて1時間近くは走っただろうか。
気が付けば、真っ暗だった空も少し明るくなり夜が明けてきた。
でも折り返す気配すらない。
いったいどこまで行くんだろう。
靴ズレで足がメチャメチャ痛い!
こんなことになるなら、少しぐらい「遅い!」と怒られてもちゃんと靴下を履けば良かったと激しく後悔した。
何より、この理不尽な仕打ちにモチベーションもある訳なく、怒りすら感じていた。
そして、2時間近く走っただろうか。
小さなお寺に到着し、そこでやっと訓練の一環であることが説明され、トイレと水分補給が許された。
帰路も隊列を組んだまま行進し駐屯地に戻ったころにはすっかり日が高くなっていました。。。
■これは私が22歳の時に新卒の会社で行っていた自衛隊研修での体験です。
本当の訓練では、銃を担いで走るそうです。
20年前の出来事ですが、強烈な体験として覚えています。
肉体はもちろん、
「何のために走っているか分からない」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「いつまで走るか分からない」
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そんな状態が精神的にキツかったのです。
■あなたも、駆け出しのころ、このような仕事の振り方をされたことはありませんか?
軍隊では、こういう理不尽さに耐えることは必要かもしれませんが会社では避けたいですよね。
でも部下に対してこういう仕事の振り方を、多くの人がやってしまいがちです。
私は、仕事を部下に振る時、次のようなことを意識しています。
- その仕事の重要性や意味を伝える
- どのようなクオリティで仕事を仕上げて欲しいのか基準を示す
- 必要があれば、どういう手順でそれを行えば良いのか手順を示す
- いつまでに仕上げて欲しいのか期限を示す
- 仕事の途中で進捗を確認する。ズレていたり、進捗が芳しくない時はアドバイス等の必要な支援をする
部下に仕事を振るとき、その仕事の意味や重要性を伝えていますか?
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。