いま注目を集める「インバウンドマーケティング」とは
2015.10.26 Posted by anzai
「こんなもの、どうせ広告でしょ」
「広告にだまされるほどバカじゃないよ」
日常生活の中で、そんな風に思うことはありませんか?
いまや街を歩くだけで、ありとあらゆる所に広告を見つけることができます。電車の中、駅ビルの壁、手にしたフリーペーパーの裏表紙・・・視界に飛び込む無数の広告たちに、時には疲れてしまうこともあるでしょう。
あまりにも増えすぎた広告に対する「飽き飽きとした」疲労感。そしてそれらを見抜いて回避する方法を、私達は自然と身につけています。ユーザーはもう、自分が知りたい情報への正しい道筋を知っています。時にはCMで話題の商品を購入することもありますが、多くの場合、バリエーション(種類)、値段、購入方法やタイミングを一つ一つ吟味して、商品やサービスを消費しています。
そんな状況の中、広告枠を買い、果敢に営業をかけていく従来型アプローチ=「アウトバウンドマーケティング」に対し、ユーザーが自分で調査し、辿り着いてもらうことを前提とする「インバウンドマーケティング」がにわかに注目を集めています。
インバウンドマーケティングは、これまでのような「企業が押し付ける情報」でなく、「ユーザーが探し当てる情報」を提供することを想定しています。「ユーザーが探し当てる情報」を提供するほうが、主体性が強く、最終的な利益につながりやすいという考え方です。
インバウンドマーケティングの4つのフェーズ
インバウンドマーケティングは大きく4つのフェーズに分けられると言われています。
- Attract(惹きつける)
ユーザーが自分で検索/調査したとき、こちらが提供するページに迷わず辿り着けるようにしなければなりません。そのためには、適切なキーワードに対してSEO対策を行う必要があります。
あるいは、ユーザーはソーシャルネットワーク上での検索やシェアを手がかりに辿り着くかも知れません。そういったユーザーを想定して、ユーザーが使いそうなSNS上で積極的に情報公開を行う必要があるでしょう。
また、インバウンドマーケティングには、記事ごとに情報としてのまとまりをもたせることのできるブログも有効です。ユーザーのニーズに合致した情報を記事として提供できるよう、日々更新していくことが重要です。 - Convert(転換させる)
ユーザーがコンテンツにたどり着いたら、CTA(Call to Action)つまりお問い合わせや資料請求、イベントへの参加などの導線を用意し、関係性を築いていく必要があります。
ここで重要なのは、ユーザーの行動履歴や入力情報等収集した情報を、体系化して保存することです。これらのデータはユーザーを満足させるための基準であり、今後どのようなコンテンツを作っていくべきかを知るための指標となります。 - Close(顧客にする)
アクションを起こしてくれたユーザーに対して、最も適切な商品/サービスを提供します。ニーズやタイミングに合わせた情報を届けるための仕組みを作り、またメルマガや会員など定期的なやり取りができるような関係性を築き、ファンになってもらうことも大切です。 - Delight(満足させる)
顧客となったユーザーをケアし、関係を持続させます。タイミングによってCTAの内容を変更したり、顧客向けのメルマガやSNS上のアプローチも求められます。最終的に、彼らがプロモーター(宣伝主)になってくれるようになればベストといえます。
さて、勘の良い方はお気付きかと思いますが、インバウンドマーケティングは新しい手法ではありません。ユーザーのニーズに合ったコンテンツを提供するという、とてもベーシックな考え方に基づいています。
しかし結果を欲しがれば欲しがるほど、ユーザーのニーズを無視したプロモーションに進みがちです。初心に帰り、検索したユーザーにとって価値のある情報とは何かを考え、マーケティング戦略を見なおしてみましょう。
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