マジョリティとしてのモバイル、マイノリティとしてのPC
2015.06.30
先週の火曜日、六本木ヒルズの49階にあるヒルズアカデミーという会場で開催された、GoogleによるAdwords代理店向けのイベント「grow with google」に参加してきました。
テーマはモバイル(スマートフォン)に関してです。
150人入るメイン会場だけでは収まりきらず、サテライト会場まで用意されていました。それでも早々に応募を締め切ったといってたので、関心の高さが伺えます。
私がこのイベントに参加した目的は2つあります。
1つはスマートフォンサイトのUI改善に関する事例などが聞けるということだったので、Web制作に携わるものとして、ぜひ聞いておきたかったということ。実際に、架空ではない具体的な改善事例を多数見ることができました。
もう1つの目的は、Googleがスマートフォンについて、どのように考えているのかを聞きたかったからです。
Googleの担当者が
今、Googleでは、マジョリティとしてのモバイルをまず考える
その次にマイノリティとしてのPCをどうするか考える
完全にモバイルファーストの考え方になっている
というようなことを言っていました。
今後もその考えのもとにAdwords広告や検索結果画面の改修、サービス開発を行っていくそうです。「PCがマイノリティ」という言葉が印象的でした。
このようなGoogleの認識に対して、世の中の企業の対応が遅れている。だからGoogleはこのようなイベントを開催して、一生懸命に啓蒙活動をしているようです。
最近は「モバイルファースト」という言葉もあちこちで聞かれるようになりましたが、「PCがマイノリティ」とはっきり言われると、時代は本当にもうそんなところまで来ているのかと思ってしまいます。
特に、私も含め、長らくWebにたずさわってきた人ほど、なかなか頭が切り替えられないように思います。自分の周りはみんなPCを使っていますし、数字では分かっていても、実感が湧いてこないのです。
でも数字を見ると、Googleの考えが正しいというのがわかります。
米国では今年3月にモバイルでのネットユーザーが、PCでのユーザーを上回ったという調査報告がありました。
→ comScore社「Number of Mobile-Only Internet Users Now Exceeds Desktop-Only in the U.S.」
日本でも今年中にそれが起こることが確実視されています。
→ ニールセン「スマートフォンからのインターネット利用者、2015年冬にはPCを超える可能性」
さて、イベントの後、当社のWebサイトのモバイルアクセスは、どのように増えていっているのか調べたくなりました。
結果は、下記の通りでした。
当社はB2Bの商材しか扱っていません。ですので、数は少ないですが、確実に伸びているのが分かります。
では、当社のクライアントでB2Cの商材を扱っているクライアントはどうなのでしょうか。
住宅関連のクライアントに許可をとって調べてみました。
結果は下記の通りです。
住宅のような、最終的にはPCでじっくり検討するような業種でも4割を超えています。
主婦や若年層をターゲットにしたWebサイトでは、8~9割がスマートフォンによるアクセスというWebサイトも珍しくなくないそうです。
業種によるかもしれませんが、私もあなたも「PCはマイノリティ」というぐらいの頭の切り替えが必要なのかもしれません。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。