検索エンジンが上位表示したいサイト、したくないサイト
2020.10.11
何かとSEOは、裏技のようなものがあるに違いないというイメージが持たれがちです。
確かにSEOは、細かいテクニックはあります。
しかし、検索エンジン側も、SEO業者によって検索結果を恣意的に変えられないように、検索プログラムを常に調整しています。
私はWeb業界に長くいますが、SEOに関しては、年々テクニック的な要素が減ってきている印象を受けます。むしろ、過度なSEOはペナルティを受ける可能性すらあります。
どうしてもブラックボックスの印象が強いSEO対策。
Web制作の仕事をしていると、SEO対策について多くの方からご相談やご質問を受けます。
そこで、今回は、そもそも検索エンジンはどんなWebサイトを評価し、上位表示をどのように決めているのかについてお話します。
Googleが上位表示したいWebサイトとその理由
日本では2020年9月時点で、Googleのシェアが76.28%、Yahoo!が19.19%、Bingが4.04%となっており、現在Yahoo!はGoogleの検索エンジンを採用しているので、実質的に95%以上がGoogleの独占状態となっています(数値引用:statcounterより)。
つまり、検索エンジン対策=Google対策と言っても過言では無い状況です。
Googleにとって、検索結果画面のクオリティは、最重要の生命線です。
Googleは、検索エンジンとしては後発でしたが、今や世界で最大シェアを持つに至ったのは、検索結果のクオリティが高いからです。
検索結果のクオリティが高いから多くの人が利用するし、それによって検索結果画面が広告媒体として高い価値を維持しているわけです。
現在、Googleの収益構造のうち、半分以上が検索結果画面に表示される広告収入、G-mailやグーグルマップなどから発生する広告収入です。
もし検索ユーザーがGoogleに不便を感じたり、Googleよりも優れた検索結果を表示できる検索エンジンが登場したら、Googleの屋台骨は揺らぎますから、常に検索結果を良いものにしようと努力しています。
そう考えたとき、Googleが検索結果に上位表示したいのは、どんなWebサイトなのでしょうか?
それは、ユーザーがGoogleの検索ボックスに入力したキーワード(質問)に対して、より価値ある解決方法が示されている、ユーザーにとって役に立つWebサイト、Webページです。
検索順位はどうやって決まるのか
ただ、そこはあくまでGoogleもプログラム。
理想は、人間が文章の内容を理解して、質問者に対して、もっとも適切な回答を示してあげることなのでしょうが、そんなことはできませんので、検索結果の表示順については、アルゴリズムが定量的に評価をして決定しています。
検索結果を表示するアルゴリズムはもちろん公表されていません。
Googleの検索順位決定要因には多くの要素がありますが(気になる方は、こちらの記事「米国SparkToro社の「Google Ranking Factors 2019」を解説」をご参照ください)、SEO対策で実施しなければならない事項をざっくりとお話すると、大きく分けて次の2つだと言われています。
1つは、Webサイトをきちんと作ること。これを内部対策と言います。
いろいろと細かなチューニングテクニックはあるのですが、それらより圧倒的に重要になってくるのが、そのWebサイトのコンテンツ(情報の中身)です。ユーザーがgoogleの検索窓に入力したキーワードにとって、そのWebサイト、Webページがどれだけ充実しているか、ユーザーの役に立つものかを評価しています。
以前は、とにかく関連キーワードを詰め込んだり、文章量を増やしたりするといった対策が行われましたが、最近は、人工知能等の進化もあり、ユーザーの目的や検索という行動に至った背景(コンテクスト)を理解し、それに沿った検索結果を返してくるようになってきていますので、ただキーワードや文章量を詰め込むだけでなく、情報の網羅性や画像等、品質が大事になってきています。
もう1つは、どれだけ他者から評価されているかの指標としての「被リンク」です。これを外部対策と言います。
他者から数多くリンクされているWebサイトは、「きっと良いサイトに違いない」と検索エンジンは判断している訳です。
但し、やみくもにリンクを増やしてあまり意味がありません。
一昔前に、多くのSEO会社が、たいして情報価値が無いWebサイトを大量に立ち上げて、そこから顧客のWebサイトへリンクを張るようなSEO対策を行った為、GoogleはそのようなSEO対策にペナルティを与えるようになりました。
つまり、良いコンテンツを作り、そのコンテンツが評価されて自然にリンクを張られるような、そのようなリンクが評価され、不自然なリンクは逆にペナルティの対象になります。
被リンクは未だに重要な検索順位決定要因だと言われていますが、上記のように、結局はしっかりと良いコンテンツを作るということに帰結するので、それが「やはり内部対策の方が重要だね」と言われる所以です。
ちなみに、最近のGoogleは、検索順位を決定する際に、スマホ向けページの品質を先に評価し、それをもとにPC向けページの品質を決めています(以前は逆でした)。これをモバイルファーストインデックスと言います。
なぜそうなったかと言えば、今はGoogleのユーザーがPCユーザーよりもスマートフォンユーザーの方が多いからです。こういう点でも、Googleは“ユーザーにとってより役に立つ”という視点に立っているということです。
まとめ
まとめると、SEOで上位表示するには、googleから「このWebサイトは検索ユーザーにとって価値がある」と評価してもらえるようなWebサイト、Webページにしなければならないということです。
言い換えると、御社が上位表示したいテーマに関して、価値があるWebサイトを作らなければなりません。
「Web制作」というテーマなら、そのテーマで品質の高いページが情報が充実しているWebサイトにしていく必要があります。
必然的に1サイト1テーマになります。
できるだけ、1つのサイトで扱うテーマは1つにしてください(この点についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「更新すればするほど検索順位が落ちる場合」をご参照ください)。
これはページ単位でも同様のことが言えます。
1つのページで狙うキーワードは1つ、というのが基本になります。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。