低品質なページの削除とSEO効果
2020.10.17
先日、当社のWebサイトの古いコンテンツを整理しました。
私は2005年ぐらいからブログを更新しているので(このブログは実は3代目です)、初期の頃の記事には、既にこの世に存在しない製品やWebサービスに言及したもの、リンク先の記事が無くなっているもの、文字数が少ない(500文字にも満たない)ものがあった為です。
削除するにしても、もしかしたら思いがけずアクセス数が多い場合もあるので、Google Analyticsで削除したいページの直近数ヶ月のアクセス数を確認しながら削除していきました。
それにしても、面倒でした(^ ^ ;
当社のWebサイトはトータルで1000ページ以上あります。そこから削除するページを調べて社員に削除指示をしました。そのままにしておいても良いのですが、そういったものは印象が悪いですし、何よりそれらがGoogleにより低品質なページと認定されて、Webサイト全体の評価を下げられる恐れがあると思い削除することにしました。
それにしても、低品質なページを削除することは、本当にSEOに効果があるのでしょうか?
実は、Googleは公式にその効果を言ってはいません。
これについては、Googleの社員がカンファレンスで質問された際に「ただそのWebページが上位に引っかからないだけだ」、つまり、Webサイト全体のSEO状況には影響ないという主旨のことを語っています。
しかし一般的には、低品質ページを整理することでWebサイト全体のSEO状況が改善したという報告が国内外であるのです。
Googleは検索結果ページからリンクされている不審なページや低品質なページを、多くの人員を投入してチェックしています。当然にその特徴をアルゴリズムにフィードバックし、不審なページや低品質なページが検索結果に表示されないようにしています。
では、どのようなWebページが低品質だと判断されるのでしょうか。
状況にもよりますが、一般的には低品質なWebページには次のような特徴があります。
- 情報が少なく内容薄い
情報が少ないWebページは、同じテーマで情報が充実したページより上位に表示されることはありません。 - 情報が古い
情報が古くなったWebページは、同じテーマで最新の情報が記載されたページより上位に表示されることはありません。
(もちろん、古い情報を探すことが目的のユーザーが、そういう古い情報を探す場合は別です) - 重複コンテンツ
他のWebサイトかどうかに関わらず、テキストが他のページとまるっきり同じものを使っていたりすると重複コンテンツとして低品質だと判断されます。
一昔前、とにかくWebサイトのページ数を増やすSEO対策が流行った時期がありましたが、そのような時代に作った用語集などのコンテンツや、質の低いライターに依頼した記事などは要注意です。 - Webサイト全体のテーマから外れている
例えば、私が社長ブログで近所のランチのことばかり詳しく書いていたら、せっかくWeb制作会社としてチューニングしている当社のWebサイトのテーマがぶれていってしまいます。本人は一生懸命更新しているつもりでも、テーマが外れているとWebサイト全体に悪影響を及ぼします。
上記の1. 2. 3. については、削除するのではなく、リライトをしてコンテンツを蘇らせることも有効です。特に2.の情報は古いけど内容としては充実している場合は検討してみましょう。
また、こういった低品質なWebページを残しておくことは、SEO以外にもデメリットがあります。
それは地味に管理コストがかかることです。
例えば、Webサイトをリニューアルしようとした際に、Web制作会社に見積依頼をかけた場合、現状のWebサイトのページ数を見て見積を作成したりします。その時に、そのWeb制作会社の担当者が「このページはリニューアル後はいらない」と判断できる可能性はあまり高くないかもしれません。
サーバの中を見た際にも、不要なファイルは削除され、スッキリしていた方が良いに決まっています。
私はどちらかというとモノを捨てるのが苦手です。モッタイナイと思ってしまうのです。そんな性格はこのようなコンテンツ整理の場面でも遺憾なく発揮されてしまいがちです。そのような、私と似た性格の人は、低品質なコンテンツの整理を意識してやった方が良いかもしれません。
一方で、私のクライアントには「このページもいらないかな」とバンバン捨てられる人もいます。そういう人はアクセス数等もチェックしながら少し慎重に整理してください。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。