STAY SMALL
2020.11.08
久しぶりに今日は本の紹介をします。
最近、よく本を読んでいます。
半沢直樹の最新刊『アルルカンと道化師』はもう読みましたか?
私は面白くてあっという間に読んでしまいました。
今日紹介するのはそれではなく、『Stay Small』という本です。
副題は『会社は「小さい」ほどうまくいく』。
■世の中では、会社は大きいほど称賛されます。
「会社の大きさは社長の器の大きさだ」
とか
「船も大きいほうが安定する」
なんて言われたりもします。
確かに一理あります。
それに、会社が大きくなれば、雇用も増えて、社会貢献度が高くなることも確かです。
私も、会社を大きくすることが正しいことだとずっとそう思ってやってきました。
強迫観念とも言って良いほどです。
この本は、そんな思想に真っ向から異議を唱えた本です。
会社を大きくし、規模の拡大についてまわるマイナス面を背負い込むのではなく、小さく、賢く、効率的に、弾力性を持って成長させることを目指したらどうだろう
というのが本書の主張。
決して成長を否定している訳ではありません。
ただ、規模を大きくするために規模を大きくするような、そういう成長に疑問を投げかけています。
■規模の拡大には確かにマイナス面があります。
会社が大きくなれば、その分コストもかかるようになります。
特に日本は米国と違い簡単に社員を解雇することはできません。
人が増えればマネジメントの負担も増えて、組織や業務の複雑さも増していきます。
顧客1人1人の顔も見えづらくなります。
そして柔軟性も失われがちです。
実際、コロナ禍を通じて、こういった、大きいことの負の側面を感じた経営者も多かったのではないかと思うのです。
■私は仕事柄、多くの企業に訪問する機会がありますが、稀に“スモール・イズ・ビューティフル”を体現している組織に出会います。
確かに大企業とは違った余裕を感じます。
そういう会社は、本書に書いてあるように、
「会社の規模ではなく、顧客の成功に焦点を合わせる」
ことをし、
「大きくすることより、より良くすることに集中」
しているのだと思います。
『 STAY SMALL 〜会社は「小さい」ほどうまくいく〜 』
本屋に行けば、会社を大きくするための本で溢れていますが、経営環境が劇的に変化する今だからこそ、1つの考え方として目を通しておきたい良書です。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。