Webサイトの改善とニトリの店舗改善
2021.01.17
私は村上龍のカンブリア宮殿という番組をいつも録画して、できるだけ欠かさず見るようにしているのですが、先日、昨年12月に放送されたニトリの回を見ました。
似鳥さんの起業家人生は、日経新聞の『私の履歴書』でも連載されていたので、私だったら絶対に立ち直れそうになさそうな困難を何度もくぐり抜けてきた波乱万丈ぶりは知っていましたが、今回のカンブリア宮殿は、登場が2度目ということもあり、近年の好調ぶりに関する特集でした。
このコロナ禍にあっても絶好調みたいですね。
そんなニトリの中に、「ホームデコ」という業態があります。
基本的にニトリの店舗は郊外のロードサイドにある大型店舗が多いですが、ホームデコは都市部の駅ビルとかに入っている小型店舗で、大きな家具とかではなく、キッチン用品など小型の商品を中心に取り揃えているミニニトリみたいな業態です。
そのホームデコがずっと売り上げ低迷を続けていたそうで、似鳥会長自らがそのテコ入れに乗り出し、見事V字回復させました。
何をやったのでしょうか?
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やったことは、売れない商品をバッサリと撤去して、売れている商品群を増やしたこと。
およそ4割ぐらいの商品を入れ替えたそうです。
最初は社員に任せようということで、あまり口出しせずに任せていたそうです。
彼らは自分たちが作りたい商品をどんどん作って並べていった。それ自体は悪いことではないのですが、その結果、それらの商品が売り場を占領し始めたことで、相対的に他の商品の売り場面積が減っていってしまいました。売り場面積が減った商品の中には売れ筋の商品もありました。
そこにメスを入れたという訳です。
映像では、店舗に視察に来た似鳥会長が、お客さん目線でどんどんスタッフにダメ出しをしながら指示していく様子が映されていました。
巨大企業のトップにも関わらず、本当によくそんな売り場の細かいところにまで気づくなぁというところをバシバシと指摘していきます。
苦労してきただけあって、お客さん目線が染み付いているのですね。
■これってWebサイトでも同じことがおきます。自分たちが言いたいことを書いて、お客さんが知りたいことがどこにあるのかどんどんわかりづらくなる、ということは結構やってしまいがちなことです。
コンテンツが少なすぎて、そもそも必要な情報が足りていないというのは問題外ですが、逆に情報がすごく充実していけれども、コンテンツが多すぎて、どこから読んでいいかわからないというWebサイトもあります。
ただ、実店舗とWebサイトが違うのは、Webサイトの場合は、物理的な陳列スペースの制約が無いことです。
ですから、せっかく作ったコンテンツを削除する必要はないのですが(SEO的にも)、例えばトップページの目立つ場所などはエリアが限られているので、お客さん目線とユーザー動線を意識したメリハリが必要です。
全てを目立たせようとすると、全てが目立たなくなります。
言いたいことを書きすぎて、お客さんにとって本当に必要な情報が埋もれてしまっていませんか?
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。