社員研修をオンデマンド化してみた
2021.11.08
先月2名の中途採用を決めました。本当は1名のみ採用する予定だったのですが、とても良い方が応募してくれて、熱意も高く採用しないと後悔すると思い、思い切って2名採用しました。
そして悩んだのが研修。
2名とも社会人としてはしっかり経験があるし、職業訓練校でWeb制作に関する基礎的なことは勉強してきているものの、学んでもらわなければならないことがたくさんあります。
ここ数年は、中途採用はほとんどせず、数名まとめて新卒採用をやってきていたので、皆で一緒にまとめて研修をやることができていました。新卒一括採用は、その辺は効率的です。しかし、今回はたった2名で、しかも入社日が2週間タイムラグがあり、2人まとめての研修が難しい状況でした。
そこで、この機に、以前から考えていた、「社員研修のオンデマンド化」をやることにしました。要は、今まで毎回研修で教えていたことを事前に動画にしておき、課題などのカリキュラムも事前に用意し、自分でペース進めてもらう形です。
実はこのアイデアは、4年前にラスベガスに行き、ザッポスを見学した時から考えていたものです。
ザッポスには「ザッポス大学」なるものがあり、新入社員はそれを履修しななければなりません。ザッポスはきちんと講師の人がいましたが(人との接点を大切にする会社なので、あえてそうしてるのでしょう)、これをオンライン化して、自分のペースで履修できるようになったら良いんじゃないかとずっと思っていました。
そもそも、日本の学校もそうすれば良いのにとずっと思っていまいた。娘の学校の話を聞いていても、苦手な先生にあたると露骨に成績が下がったり、その教科が嫌いになってしまったりするようでした。逆に面白い先生にあたると、楽しそうに勉強しています。学校の授業なんて、最も教えるのが上手な先生の授業を動画にして、生徒が各自、自分のペースで見て、わからないところを担当の先生に聞く、そんなスタイルの方がよっぽど良いんじゃないかとずっと思っていました。
この場合、先生の役割は教科を教えることより生徒をサポートしたりモチベートしたりすることになります。学校の先生の激務が問題になっていますが、そういうふうにしたら、先生の負担も減りつつ、生徒ともっと向き合える時間が増えて良い気がするんですけどね。
さて、話を当社の研修に戻しますが、研修をオンデマンド化することで、いろいろなメリットがあります。
- 同じ話を研修で毎回しなくて済む(私にとってはこれが最も大きいメリット!)
- 入社時期がバラバラな中途採用にも対応しやすくなる
- 人によって知識のベースが違うので、学ぶ方は自分のペースで学べるし、わからなった点はもう一度見返せるし、知っている点はさっさと次に進める
ということで、ここ1ヶ月ぐらいは、社員のいない土曜日のオフィスで、ひたすら動画をレコーディングしていました。
最初は大変ですけど、今後、毎度、研修で同じ話をすることから開放されると思えば頑張れます。
以前はデジタルビデオカメラで喋っているところを撮影して、動画編集ソフトでそれにスライドをオーサリングしてとやっていたのですが、今は、zoomでスライド共有をして録画すれば簡単に講座動画がレコーディングできるので本当に便利になりました。
↓zoomでレコーディングした画面
既に、中途採用の2人には、レコーディングが終わったものから順次、オンデマンド研修をやってもらっています。
「今回、新たな試みとしてオンデマンドで研修やっている訳だけどどう?」
と聞いてみたら
「ちょっと理解できなかった箇所を繰り返して見たり、一旦動画を止めて自分で調べて実際にやってみたりして理解しながら自分のペースで進められるのでとても良いです。」
と言ってました。
評判も上々のようです。
これで、毎度、中途採用する時に「研修どうしよう」と毎回悩むことからも開放されると良いなぁと思います。
同じような悩みを持つ方は、ぜひチャレンジしてみてください。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。