自分の言いたいことを言うな
2023.03.04
社員Y君 「あの社長、相談があるんですけど。。。」
Y君が声をかけてきました。
会社で仕事をしていると、何度か社員から声をかけられる日があります。
「何だよ、忙しいときに!」という言葉をかろうじて飲み込んで返答します。
私 「何?」
明らかにイラっとした私の返答に社員がひるんでいます。
いかんいかん。
こうやって社員が萎縮していくんですね。
なので、少しニコッと笑って安心させてみます。
社員Y君 「昨日デザインを提出したのですが、お客さんからこれで上手くいく感じがしない、と言われてしまいました。どうしたら良いでしょうか?」
私 「デザイン見せてみ?」
デザインを見てみると、一見綺麗にできています。
写真には恐らくレンタルフォトで購入したであろう写真が入り、キャッチコピーには、「確かな技術力で、皆様の期待にお応えしていきます」という言葉が入っています。
研修でさんざん教えたことが実践できていない。。。
自分が赤ペンを入れたい方が早いという衝動に駆られますが、それではきっとY君はまた同じ間違いをしそうです。
それに、本人がとってきた仕事。
お客様もY君に期待しています。
Y君にも自分で答えを見つけて“自分がこの仕事をやりとげた”という気持ちになって欲しい。
そこで、私も分からないというフリをしながら、「なんでだと思う?」と聞いてみました。
答えを求めにきた社員は、まさか逆質問されると思わなかったのでしょう。
しばし沈黙。
社員Y君 「このデザインは売れる気がしないってお客さんはいってたので、デザインが暗いんですかね?」
全然違うことを言ってきます。
こういうときは質問を変えなければなりません。
私 「このクライアントのお客さんの気持ちになってみようよ。検索エンジンで検索してさ、このサイトに来ました。さて、どう思うだろう?」
社員Y君 「ちょっと弱い気がしますね?」
私 「弱いんだ。じゃぁ、お客さんからしたら、どんな言葉や写真が見えていると“続きを見なければ”って思うかな?」
社員Y君 「そうですね。自分がこれを買ってどうなるかです」
私 「そうだね。確かに今のデザインだと、それが全然イメージできないよね。じゃぁ、その次に何が見えているとさらに続きを読みたくなるかな?」
社員Y君 「なぜそういうい結果が出るのかとか実際の実績とかですかね?」
私 「そうだよね。商品スペックよりも、実際にどんな実績出したか、本当に結果が出るのかまず知りたいよね。そこで興味を持ってから、商品スペックとかを見るんだよね」
社員Y君 「分かりました。クライアントの“デこのデザインは売れる気がしない”という言葉に引っ張られて、デザインを修正しようとしていましたが、そもそもの構成が全然ダメですね。考え直します。」
自分が言えること、言いたいことを売り手の都合で表現してしまいがちですが、構成もキャッチコピーもお客さんの興味に沿っていなければいけません。
どんなにかっこいいページを作っても、その点がずれていたら結果は出ません。
あなたのホームページはお客さん目線になっていますか?
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。