ザッポスを視察してきました
2017.06.22
6月11日から19日まで、企業視察目的でラスベガスとLAに行っていたため2週間ぶりのメルマガです。
ラスベガスではザッポスやカジノ運営会社、LAではGoogleカリフォルニアオフィスや孫正義氏が340億円出資したシェアオフィスのWeWork、瞑想アプリのHeadspaceといった新興企業などを視察しました。
日常業務にどっぷり浸かっていると、どうしても視野が狭くなってしまうので、たまにこうやって海外視察するのは良いですね。
■今回の視察の中で一番時間を使ったのがザッポスです。
ザッポスは、靴を中心としたアパレルのオンラインショップを運営する会社です。
一見、普通のオンラインショップですが、ザッポスの最大の特長は、突出したカスタマーサービス(コールセンター)。その顧客体験が口コミで広がり、創業から10年足らずで年商1,000億円を突破しました。
他社サイトでも購入できる商品を扱っていて、安売りは一切無し。
それでこの成長スピードって凄いと思いませんか?
■そんなザッポスのコールセンターですが現在650人が働いているそうです。
会社の中で一番大きな部署。
そして全員正社員。
24時間365日繋がり、1年間返品OK。
マニュアルなどはなく、社員の裁量が限りなく大きくなっています。
顧客と10時間話をしたとか、顧客の欲しい靴の在庫がザッポスに無い時は、他社サイトで商品を探して教えてあげたといった、あり得ないエピソードがたくさんあります。
■そんなザッポスの社内はこんな↓感じ。
↓自分のスペースをデコりまくり
↓犬連れ来てもOK
↓キッチンや息抜きスペース(こういう場所があちこちにある)
↓ジムもある
なんだか緩〜い会社だなと思ったら一方で、
社員皆で1年間かけて決めた10項目のコアバリューを大切にしています。
毎年、かなりしっかりしたカルチャーブックなんかも作っています。
この企業文化がザッポスの強みです。
カルチャーに合わない人は、どんなに能力が高くても採用しないし(採用率は、たったの1%だそうです)、ザッポス大学という名の社員教育も充実しているし、NPS調査(ネット・プロモーター・スコア)やサイト解析など、決めた指標や目標は妥協せずにやり抜く etc
やるべきことはやっていました。
といっても、詰め詰めな感じではなく、皆さん、すご〜くリラックスして仕事しています。
■ザッポスを見学すると、ポジティブな反応をする人と、あまりの非常識さに怒り出す人の2つに分かれるそうです。
確かに一見不真面目な感じはしますが、ES(社員満足)がCS(顧客満足)につながるという考えのもと、私はハード(見た目やフラットな組織)もソフト(採用や教育)もよく設計された会社だなと感じました。
10項目のコアバリューは、社内理念というよりは、ザッポニアン(ザッポスの社員)としての生き方であり、社員が周りから愛され幸せだからそれを顧客にも届けられるという考えが自然に会社に根付いていました。
社員同士や家族ぐるみのイベントも多く、会社が1つの家族というか共同体のような感じで、その辺は古き良き日本企業にも通じるものがあるように思いました。
創業者のトニーシェイさんは、ザッポスの前に会社売却の経験をしていますが、以前の会社で、会社が大きくなるにつれて、自分の想いが薄まっていくことが耐えられず、ザッポスはそんな風にしたくなかったのだそうです。
社員も経営者も生活の大きな時間を過ごすオフィス。
視察を通じて得られたヒントをもとに、あらためて会社をもっと良くしていこうと思いました。
↓ザッポスについてもっと詳しく知りたいなら、こちらがオススメです。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。