値上げすることに勇気をくれる本
2022.09.03
物価が上がっていますね。
少し前ですが、8月19日の日経新聞の夕刊で、総務省が発表した7月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比2.4%上昇(変動の大きい生鮮食品を除く)だったと記載されていました。4ヶ月連続で2%台だったそうです。ご存知の通り、円安、エネルギー価格や原料費、輸送費の増大などの影響です。
先週、夏休みの最後にと、妻と子どもたちが久しぶりにディズニーランドに行ったのですが、「値段が上がっている〜」と騒いでいました。ディズニーランドは価格変動制(ダイナミックプライシング)を導入して話題になりましたね。ホテルなどは以前から連休などのハイシーズンは2倍以上になったりして価格変動制ですが、遊園地ではディズニーランド以外にもUSJ、富士急ハイランド、よみうりランドが価格変動制を導入しました。ちなみに、鉄道運賃も価格変動制の議論がされているそうです。
いずれにしても、米国ほどではないですが、じわじわと日本でも物価が上がってきています。
当然「人件費にも影響があるだろうな」と感じている経営者も多いのではないでしょうか。物価が上がっているのに、給与が上がらなかったら、社員の生活は苦しくなりますからね。
実際に、最低賃金は、2022年は過去最高となる31円の引き上げが決まりました。今後、日本の生産人口がどんどん減っていくことを考えると、更に賃金は上がらざるをえないだろうと思います。G7先進国の中で、30年間、賃金が全然上がっていないのは日本だけですから、むしろ上がらなければならないのかもしれません。
原材料費や人件費があがれば、当然、商品・サービスの値段も上げなければ経営はやっていけません。
でも、値上げって勇気がいりますよね。
“売上=売価 ✕ 販売数” ですから、売価を上げると、販売数が下がって、売上も下がってしまうかもしれないという恐怖はとても理解できます。
そんな中、本日ご紹介したい本が、石原明先生の著書『絶対儲かる「値上げ」のしくみ教えます』です。
残念ながら、石原明先生は昨年2月に他界されてしまいましたが、毎月勉強会を開催されていて、私はよく聞きに行っていました。石原先生はよく「私は時間が経っても価値が無くならない普遍的なことしか本にしない」とおっしゃっていました。寿命の短いビジネス書の世界で、確かにどの著書も、今読んでも価値あるものばかりです。そしてこの本も、そんな1冊です。初版は2015年の本ですが、今まさに読むべき本だと思います。
石原先生は「値段を上げることこそ正しい経営努力だ」と言いきります。
そして、顧問先に経営指導をする際には、「ほとんどの場合、単に値段を上げてもらうところからスタート」するのだそうです。高い値段にふさわしい付加価値をつけるなどはせずにです。
その理由や方法を知りたい方は、この本に書いてますので、ぜひ読んでみてください。むしろ値段を上げたら、お客さんが増えたり、客層が良くなった事例も載っています。自社でもできるんじゃないかと、勇気が出てくる1冊です。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。