“遊ぶ鉄工所”を見て感じたこと
2018.10.01
■本日10月1日は当社の創業記念日です。
2004年の創業ですので、今日から15年目が始まります。
これまで多くのお客様や取引先、そして社員に恵まれ、順調に成長してきました。
本当に感謝しています。
しかし、ふと気を抜くと、今までのやり方に疑問を持たなくなり、新しいやり方や技術を模索しなくなり、目の前の仕事をただこなすだけになります。
経営者にとっても社員にとっても、それが楽な道だから。そうやって企業は、少しづつ歳をとり、衰退していくのだと思います。
どんなに決算の数字が良くても、常にそんな危機感が消えません。
(根っからの心配性なのです)
■先週、当社のコアバリュー策定活動をファアシリテートしてくれたカングロ社の藤井さんに、京都にあるHILTOP社に連れて行ってもらいました。
結論から言うと「お前、もっと本気で頭使えよ!」って言われた気がしました。
(面と向かって言われた訳ではない)
HILTOP社は京都府宇治市にある金属加工の会社なのですが、まるでカリフォルニアのような社屋(記事トップの写真が社屋です)。
↓Webサイトはこちら
http://hilltop21.co.jp/
※採用サイトも良く出来てます
社内もまるで最近のIT企業のような垢抜けた空間に、若い社員が楽しそうに働いています。どうみても鉄工所に見えません。
■このHILTOP社、もともとはどこにでもある小さな町の鉄工所でした。
大手自動車メーカーの孫請けで、チャップリンのモダンタイムズの如く、朝から晩まで、ただひたすら大量生産の部品を作っていたそうです。
そこに創業者の息子である現副社長が入社。
そんな仕事は人間の仕事じゃないと、売上の8割を締めていた下請け仕事を止め、それまで職人が手作業で行っていた作業を計測・標準化し、そして多品種少量製作が可能なシステムを作りあげ、今やNASAやディズニーを顧客に持つIT鉄工所にしました。
昼間、社員がプログラミングしたものを夜に機械が加工製作してくれます。
今や、入社半年の新卒社員でも即戦力として活躍できる環境があります。
ここでは、その軌跡を紹介できないのでぜひ副社長が書いた本を読んでみて下さい。
『ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所』山本 昌作 (著)
https://amzn.to/2Iqpi6a
私が強い感銘を受けたのは、この副社長の強い意志と探究心です。
油まみれの作業着ではなく、白衣を着て働くような工場にしようと決め、そのために自分で考え、仮説検証を繰り返しながら独自のシステムを作り上げていきました。
■経営やマーケティングをしていると、外から情報仕入れて、それを切って貼ってしてしまいがちです。そこには一時的なお困り事の解決策はあるかもしれませんが、自分や会社の才能を活かすような本質的な策にはなりません。
そもそも会社によって業種も環境も違えば、働いている人もバックボーンも違います。
情報を仕入れることは必要ですが、それはあくまでヒントであって、本質に辿り着くには、そこから自分の頭を使って考えなければ、オリジナルな会社、ひいては本当に存在価値のある会社にはなれないのでしょう。
■HILTOP社は、年間通して見学者を受け入れているので、興味があったら是非見に行ってみて下さい。
最後に、講義をしてくれた副社長の言葉を紹介します。
「楽しくなければ仕事じゃない。
楽しいというのは知的作業のことである。」
山本昌作(HILTOP株式会社代表取締役副社長)
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。