手を広げすぎ病
最近、中途採用の求人を出したこともありあまりにも営業電話や営業メールが多い。。。
求人を出すと、毎度、営業電話が増えます(^^;
■そのほとんどの対応をスタッフに任せていますが、「マーケティング支援」「下請けで使って欲しい」というような内容のメールに目が留まり、会ってみることにしました。
先方は、最初は社員が来る予定だったようですが、私が代表だということで、先方も社長が来てくれました。
私よりも一回り若い、30歳ぐらいの社長さんです。
いろいろと会社の説明を受けていて、パンフレットには、たくさんの商材が並んでいます。
コンサルティング
サイト分析
リスティング広告の運用
SEO
Web制作
etc
ツール販売だけの、手離れがよいものだけでなく、労働集約型で人的リソースが結構必要な商材まであります。
頑張ってるなぁ、と感心しつつ、社長自ら営業に来るぐらいの規模の会社でこの商材数は大丈夫か?という疑問が湧いてきました。
それに、結局この会社は何が得意なのかよく分かりません。
“いろいろできます”=“何もできない”と思われるパターンです。
■そこで質問してみました。
「今、何名ぐらいで切り盛りしているんですか?」
そうしたら
「私を含めて6名です」
という回答。
私は思わず聞いてしまいました。
「えっ!6名でこれだけのサービスラインナップだと、まわすの大変じゃないですか?
よく6人でこれだけの作業をできますね?忙しいでしょ?」
と聞いたら案の定
「めちゃめちゃ忙しいです。コンサル業務はやっぱり私ともう一人の役員しかできないし」
まだ30代前半の社長だったので体力がもっていますが、あと数年で今の仕事スタイルでは体がもたなそうです。
■ドラッカーは
やらないことを決めることが重要
といっています。
確かに、やることを決めるより、やらないことを決めるほうが難しいことも多い。
■例えば、当社は印刷物のデザインもして欲しいといった要望を何度もいただきましたが、頑なに拒んできました。
Web制作一本に絞ることで、効率的なワークフローを組み、受注から納品まで、業務を仕組み化できています。
実は、印刷デザインのスキルを当社は持っています。
しかし、ワークフローから外れる作業を持ち込むと、デザイナーの仕事ばかり増えて、プログラマーが空いてしまったり、デザイナーを占有されてしまうことで肝心のWeb制作の仕事が滞るのです。
■あのスティーブジョブスが、瀕死のアップルを立て直す時にまっさきに行ったのも選択と集中でした。
その時のアップルには、その他多くのパソコンメーカー同様に、ちょっとしたスペック違いの機種がたくさんあったのですが、ジョブスは、以下の4つに集約しました。
個人向けデスクトップ 個人向けノート
プロ向けデスクトップ プロ向けノート
そして、個人向けデスクトップとして発売されたのは、カラフルなiMacです。
デザインが秀逸だったのもありますが、集約することで
・収益構造が改善した
・顧客に分かりやすくなった
それによってアップルが立ち直ったのは有名な話です。
■いろいろと手を出しすぎて、業務が煩雑になっていませんか?
顧客に分かりづらくなっていませんか?
ドラッガー先生は、こんなことも言っています。
「上手く行ってる組織はむしろ退屈である」
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。