厳しい女教師のアドバイス
一昨日土曜日は、小学4年の次女の運動会でした。
午後の種目に綱引きがあり、娘のチームは1回戦目も、2回戦目も結局負けてしまったのですが、それを見ていて、ふと30年以上前、私が小学3年生の時のことを思い出しました。
■私がいた小学校は、1クラス45人で1学年4クラスありました。
その時の担任の先生は眼鏡をかけた20代後半の厳しい女性教師で、キリッとした感じの、常にクラスに緊張感がある、そんな先生でした。
私がいた3年1組は、宿題を大量に出す厳しい先生の下、勉強はできるけど運動はちょっと弱く、運動会の練習の際、クラス対抗の綱引きで、他のクラスに全く勝てません。
「1組は弱い」と他のクラスにバカにされる始末です。
■ホームルームの時間に、先生が、「竹内君と斉藤君、ちょっと前に出てきて下さい」
↑ちなみに、先生はいつも誰に対しても敬語で、生徒も先生には敬語でないと怒られました。
体の大きい竹内君と体の小さい斉藤君を前に出させ、お互いに両手を握らせ
「みなさんは、どちらが勝つと思いますか」
と言うのです。
竹内君は、体も大きいし、ガキ大将的存在。
対する斉藤君は、空も小さいし細い。
誰もが「そんな無茶な」と思っています。
「ヨーイドン」で引っ張りあったら案の定、竹内君が勝ちました。
■そこで、先生が斉藤君に何か耳打ちしたのです。
「何を言ったんだろう!」とみんな興味津津です。
そして、もう一度やったら、今度はなんと斉藤君が勝ったのです。
みんなビックリしました。
先生は
「なぜ斉藤君が勝ったか分かる人いますか?」
と言いますが、誰も分かりません。
「綱引きのコツは腰を低く落とすことです。重心を低くすると重くなるので相手は、引っ張るときに余計に力が必要になります」
大人であれば知っているこんな常識も、子どもである私たちにとっては“目から鱗”でした。
それから、3年1組は練習では一度も負けることがありませんでした。
もちろん本番も完勝でした。
■もし事前に、先生から理論だけ教えてもらっていたら、こんなに勝てなかった気がします。
先生ははじめからこのタイミングで教えるつもりだったのか、最初から教えるつもりが無かったのか今となっては分かりません。
でも僕らは負けてばっかりで悔しがっていた。
どうしたら勝てるのか、みんなで話しあったりしていた。
だから先生の教えが響きました。
しかも実際に実演をしてくれてその実演にインパクトもありました。
現にこうして今でも鮮明に覚えています。
■部下に何かを教えるとき、ただ理論だけ伝えても、なかなか使える知識になりません。
すぐ忘れるし!
そんな時は、伝えるタイミングを工夫すると良いかもしれません。
・最初とにかくやらせてみる、
↓
・でも上手くいかない、
↓
・そこでちょっとしたコツを教える
↓
・それを試してみたら上手くいった
まわりくどく面倒に感じるかもしれませんが、とにかく最初、失敗させてみる。
その方が結局早く確実に身になったりします。
自分のことを振り返ってみても最初から上手くいったことってあんまり覚えていませんよね!?
失敗して、苦労して、最後にできるようになったことの方が良く覚えています。
「逆境に勝る教育なし。」
ディズレーリ(イギリスの政治家・小説家)
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。