ダークサイドに落ちたコンテンツSEOの結末
2016.12.06
DeNAのキュレーションサイト「WELQ」が炎上の末、閉鎖されたことが話題になっています。
DeNAの株価も下がっているみたいですね。
■WELQは、医療・健康・美容に関するキュレーションサイトですが、DeNAは、他にも、iemo、Find Travel、cuta、UpIn、CAFY、JOOY、GOIN、PUULというキュレーションサイトを閉鎖し、昨日、とうとう最後の1つだった女性向け情報サイト「MERY」も、全記事を明日7日に非公開にすることを決定し、これでDeNAが運用する10個のキュレーションサイト全てが非公開になるそうです。
リクルートやサイバーエージェントが運営する情報サイトでも、一部の記事を非公開にする動きがあるようですね。
■WELQが何をやっていたかと言うと、こんな感じです。
医療・健康・美容に関する記事を外部のライターに大量に作らせる
(その数、1日数百投稿!)
↓
様々な健康に関するキーワードで上位表示させ、アクセス数を集める
↓
広告収入を得る
別にこれ自体、全然悪いことではないのですが、外部のライターに作らせた記事のクオリティが低さと、運用側のモラルが問題になりました。
Googleに問題視されない程度に丸パクリの記事があったり、医療系の専門家から見たら、ありえないような内容のものもあったようです。
運用側が、記事を量産するために、他サイト記事の転用を推奨するようなマニュアルをライターに渡していたことも問題視されています。
さらに、「人生に疲れたな、と思ったとき」という記事では、「死にたい」「自殺」といったキーワードをSEOのターゲットキーワードに設定していることが分かり、しかもその記事の誘導先が、怪しげな自己診断テストだったことが炎上を招きました。
■WELQは、1日数百記事を公開していましたが、いくらSEO目的だからといって、発想が極端。
ライターへの報酬も、数千文字で数百円。
私もクラウドソーシングでライター募集をしたことがありますが、この値段だと、あまり良いライターは集まりません。
こういうライターが上げてくる原稿は、一読するとちゃんとした日本語なのですが、専門家が読むと、いくつも?マークがつくような内容なのです。
あがってきた原稿に対する、運用側の相当なチェック、リライトが要求されます。
原稿作成をライターに手伝ってもらうこと自体は、私は構わないと思いますが、専門家たる我々は、責任感を持って情報発信をしていかなければなりません。
■今回の件で、図らずも、情報量の充実がSEOに有効であることが、世間一般に広がってしまいました。
この原理を悪用する輩が出てこないことを願うばかりです。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。