facebookの仕様変更
2014.09.25
11月からfacebookの仕様が変わると聞きました。
どのように変わるのでしょうか?
「いいね」またはシェアすることを条件に景品やポイント付与などのインセンティブを設定することが11月5日から禁止になります。
インセンティブを設けて「いいね」を増やす、これは企業が行うfacebookキャンペーンの常套手段でした。真っ先に思い当たるのが、「いいね」しないと先に進めない「ファンゲート」という機能です。もちろんこれも全面禁止になります。
それ以外にも、例えば「“いいね”をした人の中から10名様に賞品」「シェアしたら当選確率2倍」といった表現も禁止になります。
このfacebookの仕様変更に伴って、Facebook懸賞サービスで有名なYahoo!が運営する「クロコス」も、Facebook関連サービスを終了するそうです
facebookが規制に乗り出した背景
これまで、多くの企業が「いいね」の数をfacebook施策におけるKPI※に設定してきました。
※KPI=Key Performance Indicators(どの程度その施策が上手くいっているかを測定するための指標)
ユーザーにとって有益な投稿を提供することで、自然に「いいね」を増やしていくのが本来の姿なのかもしれませんが、この方法は、投稿する側に相当の文筆能力を要求します。
必然的に、最も手っ取り早く「いいね」を増やすために、ファンゲートをはじめ、「いいね」をインセンティブ付与の条件に使う企業が増えてきました。
今回facebookが、「いいね」をインセンティブ付与の条件に使うことを規制するのは、それは「いいね」の本来の意味とは違うということではないでしょうか。
確かに、大してファンでもない企業のページで、よく分からず「いいね」して、気がついたら自分のウォールに身に覚えのない企業の投稿が流れていたなんて経験をした人も多いのかもしれません。
一時期、利用者数の増加が飛ぶ鳥を落とす勢いだったfacebookも、ここ最近は利用者をつなぎとめるのに苦労をしているようです。
ネガティブな報道も増えてきました。
(参考 日経ビジネス「フェイスブックの死」は近づいている?)
facebookはこのような事態を深刻に受け止めているのかもしれません。
facebookはgoogleと同じようにメディアの価値を高めて、そこに企業からの広告を掲載することで広告料を得るビジネスモデルです。
このようなビジネスモデルの場合、メディアの価値が高い、つまり人が沢山集まるということが、事業の生命線になります。
「いいね」を押さないと次に進めないというfacebookページの乱立、そして「いいね」を押させて利用者の興味とはかけ離れた情報を垂れ流す事業者の増加は、facebook離れの要因の1つになっているとfacebookは判断したのかもしれません。
現に、今回の規制は、企業に対してであって、懸賞を目的としている一部ユーザー以外の一般ユーザーにとってはデメリットは無いように思います。
今後、facebookをどのように活用したら良いか!?
今回の規制で、インセンティブを設けて「いいね」を集めるキャンペーンは禁止になりました。
ただし、全てのキャンペーンが禁止されたわけではありません。
「いいね」をインセンティブ付与の条件にしなければキャンペーンを展開しても構わないのです。
もちろんインセンティブ付与に比べて「いいね」の数は増やしづらくなりますが、今後、「いいね」でつながるのは密度の濃いファンだというポジティブな面もあります。
今後は、無理矢理「いいね」させるのではなく、本当に自社のお客様が喜ぶキャンペーンを行ったり、欲しい情報を届けるということが必要になってきます。
これまで以上に質の高い投稿を心掛け、その投稿に対してfacebook広告をしかけていくといったことは引き続き有効な手段だと思います。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。