デザインの良し悪しが分かるようになるには
外部のデザイナーにWebサイトのデザインをお願いしたのですが、できあがったデザインが良いのか悪いのか判断できません。
デザインセンスはどのように磨けば良いのでしょうか?やっぱり山浦さんは美大などの出身なのですか?
とにかく目が肥えるまで、たくさんのWebデザインを見ましょう。
ちなみに、私は、大学時代、法学部で政治思想を専攻していました。ええ、もう全然、デザインともITとも関係ありませんでした。
でも、デザインの仕事をしています。
デザインの良し悪しは分かっている自信はあるし、仕事では、デザイナーにバシバシ修正指示をしています。
■自分でデザインを作るとなると、訓練が必要になりますし、もともと持っているセンスも必要かもしれません。さすがの私も、多少自分でもデザインできますが、自分で作る方はあまり自信ありません。
しかし、デザインの良し悪しが分かり、デザイナーに修正指示が出せるようになる程度であれば、年齢なども関係なく後天的に磨けると、私は考えています。
私がどうやってできるようになったかと言うと、結論から言えばたくさんのWebサイトを見てきたの一言に尽きます。
■Webディレクターになって駆け出しの頃、実は、私も先輩ディレクターに、質問者さんと同じ質問をしたことがあります。
私が会社員時代にいた制作会社のデザイナーってクセのある人が多かったんですね。しかも、その当時、私は20代前半でデザイナーのほとんどが年上の人ばかりだったので、もうほとんど彼らの言いなりだったのです。
でも、となりにいる先輩ディレクターはデザイナーにバンバン修正指示を出していきます。しかも、なぜ修正したいのか、ちゃんと理由も添えて(ちなみにその先輩は、経済学部出身でした)。
そこで先輩に
「どうやって勉強したんですか?どんな本を読んだのですか?」
と聞いてみました。
それに対し、先輩の回答は一言
「とにかく、たくさんの良いデザインのWebサイトを見ろ!」でした。
■例えば、車でも鞄でもゴルフクラブでも何でも良いのですが、欲しいものがあったとき、カタログなどで情報を集めますよね。そして、いくつも見ていくと自分なりに何がイケてて、何がイケてないかだんだん分かってきませんか?
よく“目が肥える”っていうような言い方をしますが、Webデザインも同じようなことがあると思うのです。
私が20代のころは、高価な海外のハードカバーのデザイン集等を買って見ていました。デザイン集って1万円ぐらいするんです。高いんですよね。
今は、無料で閲覧できるオンラインのデザイン集がいっぱいあります。
試しに、「Webデザイン集」などとググってみてください。国内外問わず、たくさん出てきます。本当に良い時代です。
本当にいろんなデザインがありますが、ずっと見ていると、今のデザインのトレンドのようなものがわかってきます。そして、その中から、自分なり「これは好き」「これは好きじゃない」「自社のWebデザインに合いそう、参考になりそう」「これは売れそう」「これは売れなさそう」というものがいくつか出てくるはずです。気になるものにはブックマークをして、自分なりの気になるWebサイト集を作りましょう。そうしているうちに確実に目が肥えてきます。
これをやる前と後では、デザイナーとのコミュニケーションも随分と変わってくると思いますよ。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。