文章のデザイン
2022.06.25
よくWebサイトは、ダイレクトメールやカタログ・パンフレットといった紙媒体と比較されます。
そこで、あなたに質問です。
目の前に、そこそこのボリュームの文章があったとします。その文章がダイレクトメールとWebサイトの両方で目の前に差し出されました。 どちらか選んで読めと言われたら、あなたはどちらを読みますか?
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私は、迷わずダイレクトメールです。
理由は、紙媒体の方が全体を一覧できるし自分に必要な、読みたい場所のピックアップが簡単だからです。
例えば、大きさA3の裏表カラーのちらしがあったとします。これをWebサイトにすると、恐らくページ数で4〜8頁ぐらいになります。A3のチラシであれば、裏表をひっくり返せば(その間3秒ぐらい)、すぐに一覧できます。
しかし、Webサイトは・・・
- 数回クリックをしなければいけない
- 表示されるまで少し待たなければいけない
- モニタの画面よりもはみ出せない。だから、少しでも長い文章は、スクロールしなければいけない
- 眼が疲れる
Webサイトのページを読むということは、気づかぬうちにかなりのストレスを感じているものです。
私はWebデザインにおいて「文章デザイン」には特に気を配っています。文章デザインというのは、文章の内容の良し悪しではなく(それも大事ですけど)、その名の通りで、文章を読みやすくするための“文章のデザイン”です。どんな名文も、読んでもらえなければ意味がありません。
文章デザインと言っても、デザインセンスなども必要ありません。 知ってるか知らないか、気づくか気づかないかだけです。 大切なことは次の3つだけ!
1.まめに見出しを付ける
よく、「Webサイトの文章は、読まれていない。見られている」と言われます。ネットユーザーは基本的に“流し読み”ユーザーなのです。
そういう流し読みユーザーにとって、見出しというのは、釣り針みたいなもの。見出しが無くなると、文章がのっぺりした感じになり、眼に引っかかってきません。
SEO的にも見出しは重要です。見出しを入れて、きちんと見出しタグでコーディングしましょう。
2.文字の大きさと行間を調整する
印刷デザインの世界では、「全角アキ」「二分アキ」「四分アキ」という言葉があります。「二分アキ」というのは、全角に対して2分の1の行間、「四分アキ」というのは4分の1の行間です。
試しに、新聞や雑誌など、身の回りの印刷物をチェックしてみてください。新聞は「二部アキ」でしょうか。あんなに文章が多い新聞が見やすい理由の1つには、この行間の設定があります。
Webサイトもスタイルシートを使えば綺麗に調節できます。
3.見出し・強調・箇条書きなど、装飾にメリハリを付ける。
文字のプライオリティに応じて、文字の大きさを変えたり、キーワードは強調タグで囲ったり、色を変えたり、箇条書きで要点をまとめたりします。
ちなみに、文字の装飾にアンダーラインは使わないことをおススメします。インターネットでは、アンダーラインはリンクを意味するからです(逆にリンクだと分からしめるには、アンダーラインにする)。
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とかくホームページの文章は長くなりがちです。 こんな些細なことに気を配るだけで、文書を読んでくれる人が、数%は増えてくれるのです。やらない手はありません。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。