値上げするということ
2017.08.28
今、当社では、制作の請負金額を値上げすべきではないかという議論が出ています。
おかげさまで、ご依頼の数に対して供給が追いついていないという状況が続いているので、良いタイミングなのかもしれません。
■値上げは勇気がいりますが、上手く行けば、純粋に利益が増えます。
また、価格はそのままマーケットの層に直結するので、客層も上がります。
特に当社のように、案件を請けられるキャパシティが、社員数や設備で決まっているような業種にとって、利益を増やすには次の2つしかありません。
- 値上げをして案件の受注単価を上げる
- 効率を良くして回転率を上げる
ある程度、ワークフローが完成している場合は、後者は、ビジネスモデルそのものの変更と同義になりますので、今の仕事のやり方で利益を増やすには実質的には前者しかありません。
■一応、今世の中はデフレということでモノの値段はなかなか上昇しませんが、(最近は少し上向いていますが)人件費が値段に反映されやすい建設業やサービス業については、だいぶ値段が上がってきている実感があります。
当社もよく外注を使いますが、少しずつIT業界の外注費も上がっています。
人材確保が難しくなってきていたり、“働き方改革”などで、あまり社員に無理をさせられなくなってきているというのがあるのかもしれません。
■価格を上げた場合、今までと変わらず受注ができれば良いですが、もしかしたら今までよりも受注に苦戦するかもしれず、そうなると、営業コストが上がってしまう可能性があります。
そうならないためには、同時のような手を打っておく必要があります。
- 価格に見合った価値が提供できるか再点検する
- 客層があがることに対するスタッフの意識向上
- Webサイトや営業資料のクオリティアップ
そういえば、マーケティングの大家、フィリップ・コトラー先生がこんなことを言っていました。
顧客が価格だけで購入するわけではないことを、マーケターは覚えておく必要がある。
価格は支払った価格に対して得られるベネフィットという点から、最大の価値を与えてくれる製品を求めているのである。
もし値上げをするなら、当社だけでなくお客さんにとっても良い結果になるようにしたいものです。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。