相手はデータじゃなくて人
2022.08.21
何か新しいサイトやコンテンツを企画する時に、アクセス解析のデータ、キーワードニーズ、競合他社の分析情報など、さまざまな資料を集めますよね。
その時に、忘れてしまいがちなのが、実際のユーザーであるお客さんのこと。
Google Analyticsを使えば、ユーザーがアクセスしてきた場所やブラウザやOSの種類までわかるし、これらの情報を一通り揃えるだけでも、結構な量の情報になります。
しかし、それらだけでは、お客さんがどんなことを感じているのか、サイトを訪問する前後に何をしているのか、データだけではつかめない大事な情報があります。
■もう15年ぐらい前の話ですが、オンラインゲームのプラットフォームの立ち上げに関わる機会がありました。ありがたいことに、会社員時代から何度か一緒にお仕事をさせていただいていた私が尊敬するプランナーのNさんから声をかけてもらったのです。
その時に、既に業界最大手の先行サイトがあったのですが、それを超えるものを作ろうということで動いていました。
集められるだけのデータを集め、競合のコンテンツ調査などを行い企画を組み上げていくのですが、いまいちユーザー像が見えてこない。。。我々が作ったものが本当に受け入れられるイメージが湧かない。。。
そこで、Nさん、先行企業のサイトに自らも登録して、そのサイトのユーザーと一緒にそこで遊び、仲良くなった人に事情を話してインタビューさせてもらうということをしていました。
・なんでこのサイトを使っているのか
・何か使っていて不便はないか?
・普段どんなことに困っているのか
・こんなサイトがあったら使うか、等
これらの情報は、アクセス解析の情報だけではなかなかわからないことです。
本当は、自分のお客さんに直接聞くのが王道ですが、新規サイトの場合、まだお客さんがいませんから、こういう方法もあります。
■競合のお客さんを捕まえて・・・というのは気が引ける、難しいという場合もあるかもしれません。
そんな時は、お客さんと同じ属性の身近な人でも良いです。
例えば、
子供を持つお母親がターゲットならば、自分の奥さんに聞いてみるとか、
30代前後のOLがターゲットならば、女性社員に聞いてみるとか。
こういう身近な人て適当な人がいなければ、クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングなどを使ったり、B2Bビジネスであれば、ビザスクのようなサイトで、決済者であるターゲット業界の経営者に話を聞いてみるという方法もあります。
とにかく、データだけに頼るのではなく、生身の人間にインタビューをしてみるということが大事です。
これだけでも、データとしてしかなかったターゲット像が、ぐっと人間らしいものになってきます。
■マーケティングスキルが高くなればなるほど、生身の人間に聞くという、泥臭いけど最も大切で基本的なことを忘れてしまいがちになります。
相手は数字でもデータでもなく生身の人間であることを忘れずに!
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。