ユーザーのことを考えるということ
2022.11.20
当社では、一般的なWebサイトやECサイトの設計だけでなく、Webシステムの画面設計もやります。ユーザー側の画面だけでなく管理側の画面も設計します。
Webシステムの画面設計はコツがあります。Webシステム系のプロジェクがあった際は、私も一緒にプロジェクトに入り、社員からあがってきた画面設計書に赤入れすることもあるのですが、かなり修正指示を入れることがあります。
たぶん普通のシステム会社なら、当社の社員があげてきてくれるような設計書でも全然OKなのでしょうけど・・・
私、システムの画面設計については昔から少し自信があります。
今まで、いくつものクライアントのシステム画面を設計してきましたが、いつも「分かりやすい」と喜んでいただけます。
私は今から16年前にサイト職人CMSを設計・開発しましたが、当時に比べたら、CSSやJavaScript等の進化で、Webでできる表現がだいぶ増えました。
ですから私はいつも、iPhoneのように、マニュアル不要のより直感的なインターフェース画面にしたいと思っています。
システムが使われなくなる理由のほとんどは、画面が分かりづらいか使いづらいかのどちらかです。
社員が出してきた画面設計書もそうなのですが、エンジニアが出してくる画面設計書がわかりにくいのは、システム側の都合で考えているからです。
そうすると、大抵は、作った人しか分からない画面になり、使う人は一生懸命、画面の操作方法を学ばないといけなくなります。
そうではなく、画面設計は使う人の都合で考えなければいけません。
私は経営者でもあるので、そのような学習コストのかかる、従業員に負担をかけることに対する抵抗感を理解しているつもりです。
「ユーザーのことを考えろ」とは?
よく、「ユーザーのことを考えろ」って言いますよね?
画面設計でも、マーケティングや営業でも何でもそうなのですが、「ユーザーのことを考えろ」というと、ユーザーの年齢や性別、IT企業リテラシーが高いか低いかみたいな、ユーザーのペルソナのことを一生懸命考えます。
そして、ペルソナまとめて終わり。
それも大事なのですが、そこからもう一歩進んで欲しいのです。
私が画面設計する時、大事にしているのは、客観的にユーザーのことを考えるというより、ユーザーと同化してユーザーが見ている風景を一緒に見るイメージです。
こんな↓感じです。
客観的にユーザーのことを考えてもあくまで自己中心の域を出ていません。
当社の社員にも、何も教えなくても、初めから気が利く人と、教えてもなかなか気が利かない人がいます。
気が利かない社員に「もっとユーザーのことを考えろよ」って言っても、本人はいたって真面目にユーザーのことを考えていたりします。
要は、根本的にこの辺のモノの見方、視点が違っていて、ユーザーから何が見えているかが分かっていない。
一度、サービス提供者としての自分から幽体離脱して、ユーザーの中に入って、ユーザーの目線で自社のWebサイトや営業資料を見直してみる。
Webサイトだったら、Googleの検索窓にキーワードを入れることろからやってみる。
そうすると、
「ここは分かりづらいな」
「ここは嘘くさく見えるな」など
サービス提供者の目線では気づけなかったことに気づくことがあります。
“ユーザーのことを考える”とは、“ユーザーからどう見えるか、ユーザーがどう感じるかをイメージする”ことです。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。