私が大型商談を失注した理由
2016.12.01
この本を読んで、起業2年目の失敗を思い出しました。
起業して最初の数年間は、小規模企業を中心に営業活動をしていました。
小規模企業が中心だった理由は、起業したばかりで実績が無かったというのもあるし、今でもそうですが、大企業と違い直接社長に会えたり、マーケティングの上流工程に関われるので楽しかったからです。
■起業してから2年目に入ってすぐ、誰もが知っている大企業からサイト経由でお問い合わせが来ました。
大企業の実績があることは、小規模企業向けの営業においても効果的だし、相談された案件の規模も大きかったので、是が非でも獲りたかった。
1回目の面談はヒヤリングです。その会社は、これまでの小規模企業と違い窓口が社長ではなく、マーケティングの担当者でした。
1回目のヒヤリングは無事に終わり、2回目はプレゼンテーション。
提案書と見積りを用意し、いつものようにその担当者にプレゼンをしました。
結果は、全然ダメでした。
その後、担当者は電話にすら出てくれなくなりました。
■正直、この結果は、プレゼンの時から感じていました。
1回目のヒヤリング時に伺った時は「御社に期待しています」という空気があったんです。
プレゼンをした2回目も、最初はそういう空気が残っていましたが、プレゼンを進めていくにつれて、どんどん担当者の気持ちが離れて行くのを感じたのです。
■失敗した原因は、提案内容がいけてなかったというのもありますが、それ以外にも、私はたくさんのミスを犯したことがこの本を読んで理解できました。
あれから9年近くたったこの期に及んで。。。
私は当時、小規模企業への営業ばかりやっていました。
その過程で身につけた営業手法をふんだんに使ってプレゼンしたのですが、トークも提案内容も企業規模及び商談規模にふさわしいものにするべきだったのです。
■もしあなたが、決裁者とその場で話ができない商談をすることがあり、決裁者とその場で話ができる小型商談と、決裁者とはその場で話ができない大型商談で、営業の仕方の違いを意識していないのであれば、この本を読む価値があると思います。
私は、この本を読んで、9年前の商談で、3つの間違いを犯したことが分かりました。
1つ目は、1回目の訪問で状況質問ばかり行っていたこと
2つ目は、潜在ニーズを顕在ニーズに引き上げられなかったこと
3つ目は、クロージングテクニックを使ったこと(ダイレクトレスポンスマーケティング系のクロージングテクニックは要注意)
■この本が出版されたのは1987年。世界中で大ベストセラーになり、法人営業に関する営業本としては古典と言われるようになった本です。
読み甲斐のある内容で、かつ洋書の翻訳本ですが、非常に読み易く、あっという間に読み終えてしまいました。
営業本にありがちな、一部の天才トップ営業マンが書いたのではなく、多くの商談データの検証から書かれた本というのが良いです。
営業職だけでなく、マーケティングをやっている人にも参考になるのではないでしょうか。
オススメです。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。