キーワード広告のメリット・デメリット、出稿にあたっての注意点
2013.09.25
住宅リフォーム業を営んでいます。リスティング広告の出稿を検討していますが、キーワード広告のメリット・デメリット、出稿にあたっての注意点を教えてください。
コンバージョン単価※が3万円程度になることを覚悟した上で、それでも成り立つ仕組みを作ってください。
※コンバージョンとは、資料請求やお問い合わせといったユーザーの行動であり、広告主にとっての「成果」のことです。コンバージョン単価とは、1件のコンバージョンを獲得するために必要な金額のことです。
リスティング広告の主なメリットを3つあげるとすると次の通りです。
- 今すぐ客が多い
狙うキーワードにもよりますが、検索エンジンを使って今すぐ問題解決を図りたいユーザーが広告をクリックするので、非常にコンバージョン率が高いです。逆に、短期間に大量の見込み客リストを集めるような目的にはあまり向いていません。 - 顧客獲得単価が予測しやすい
キーワード広告は、広告をクリックされた分しか課金されません。その中から購入や問合せに至る割合も、毎月それほどブレるものではありません。ですから、きちんと運用すれば、3〜6ヶ月ぐらいで、大体このぐらいの金額を投資すれば、この位の顧客数が獲得できるというものが分かってきます。
月々50万使っても100万儲かるということが分かってこれば、月々の広告費が膨らんでもほとんどリスクを感じない、社長にとってはありがたい広告手段です。 - コンスタントな顧客獲得数
新聞・雑誌広告やチラシなど多くの広告は、その反応が非常に瞬発的です。出稿した時に瞬間的な反応があって、時間が経つにつれて反応はだんだん少なくなっていきます。それに対して、キーワード広告はコンスタントに反応がとれます。リソースが限られていて、いっぺんに来客があっても対応できないという中小企業の場合は、非常に大きなメリットです。
注意点としては、以前に比べて入札価格が高騰気味になっていて、成果が出しづらくなっていることです。ですから、広告を出したら終わりではなく、以下の事柄について、常にブラッシュアップをしていく必要があります。
- キメ細かいキーワードと広告グループの設定
ビックワードだけでなくニッチキーワードを多数設定し、入札単価高騰を抑える。極力、キーワードのタイトルインを実現できるような広告グループ設定を行い品質スコアを上げる。 - コンバージョン率を高める
不要なクリックを排除するような広告文の工夫と、ランディングページの精度を高める。 - コンバージョン後の成約率を高める
マーケティング手段毎のリード数と成約率を測定し、資料請求後の対応や営業スクリプトの改善などを行う。
また、広告費を1回の購入で回収しようと考えるのではなく、顧客生涯価値(もしくは1年や3年という期間による複数回購入)から費用対効果を考える必要があります。また広告経由で1度購入してくれたお客さんに何度もリピートしてもらうような仕組みを同時に考えておく必要があります。特にECサイトの場合は、かなりの高額商品でない限りは、1回の購入で広告費を回収することは無理だと思っておいた方が良いです。
リフォーム業のような役務サービスの場合、その会社のサービス内容やエリアなどにもよりますが、コンバージョン単価が3万円程度なら、恐らく上手く行っている方です。5万円を超えても驚きません。ECサイトの場合は、商品の値段に関わらず3000円〜5000円ぐらいです。健康食品のような競合市場は3万円を超える場合も多いです。
入札価格が高騰する以前は、初月からある程度の結果を出すこともそれほど難しくなかったのですが、最近は、我々でも上記のような試行錯誤を経て、3ヶ月〜半年後にやっと採算ラインに乗せられるという案件が増えてきました。それまで、辛抱強く運用することが大切です。
キーワード広告は、代理店を通さなくても自社で広告出稿することができます。実際に、自社で広告出稿している中小企業は多いです。
しかし、そのうち成果を出している企業は、かなり詳しい専任担当者を置いている場合がほとんどで、多くの会社が成果を出す前に辞めてしまうのが現実です。
広告の管理画面もどんどん新しい機能が追加され、複雑になっていっているので、これから勉強するのであれば、相当の覚悟が必要です。
ですから、これからキーワード広告を出稿するのであれば、代理店を使うのがオススメです。一般的に、手数料は広告費の15%〜20%が相場ですが、「これだけの手間がかかるなら、手数料を払った方がましだ」と思う方がほとんどだと思います。
(その位手間をかけないと成果が出ない)
当社でも制作をご依頼いただいたお客様限定ではありますが、キーワード広告の運用代行を行っています。Google及びYahooの正規代理店資格も持っています。
ご興味がありましたら、お気軽にお問合せください。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。