リスティング広告はいくらから始めれば良い?
2014.06.25
オーダー家具を販売しています。リスティング広告を始めたいと思っていますが、どのくらいの予算をかければ良いでしょうか?
また、既製家具の通販も展開したいと考えていますが、広告展開において、オーダー家具との違いはありますでしょうか。
最初は10万円程度の予算からスタートして、採算性を確保してから徐々に金額を上げていきます。
上限CPAが、許容範囲なのであれば、理論的には予算上限は受注キャパシティいっぱいまでかけてしまって構いません。
上限CPAの考え方
CPAとは、Cost Per Actionの略で、1件あたりのAction(購入や資料請求、お問い合わせ等のいわゆる「コンバージョン」のこと)にかかった広告費のことです。
上限CPAとは、1件あたりのActionに対して支払い可能な上限額になります。
広告というと、できるだけ低予算で多くの受注を獲得できるのが良いと考えがちですが、リスティング広告の場合は、自社の収益構造から許容できる受注獲得単価を算出し、さらにそこから上限CPAを割り出して、上限CPAを基準として、その中に収まるように運用するのが基本です。
例えば、御社の毎月受注できる最大数が10件だとします。
1件の平均受注金額が50万円だったとして、そこから人件費等必要経費を差し引き、1件の受注獲得にかけられる広告費が5万円だったとします。
まずは、10万円程度の小額予算でリスティング広告を実施してみます。
その結果、5件のお問い合わせを獲得し、そのうち2件が受注したとしたら、顧客獲得単価は5万円です。この場合、10万円の予算で5件のお問い合わせを獲得しているので、CPAは2万円になります。図にすると下記のようになります。
この場合、受注獲得単価が5万円以内に収まっているので、毎月受注できる最大件数が10件まで、つまり50万円まで予算を増やしていって構いません。
ただし、初月は、効率の悪いキーワードを削除したり、逆に効率の良いキーワードを追加したり入札額を上げたりといった調整を行うので、初月から良い結果が出せるとは限りません。最低でも3ヶ月程度は様子を見てください。
通販の場合
既製家具の通販の場合は、オーダー家具よりも受注金額も粗利も低くなります。
通販の場合、粗利から顧客獲得単価を算出したくなると思いますが、そうするとかなり低い金額になってしまうかもしれません。
通販の場合、一般的にCPA=顧客獲得単価になります。
通販では、社名や商品ブランド名に力がある場合を除き、商材に関わらずCPAが5000円を切るのは難しいと思ってもらった方が良いです。
しかし、化粧品や健康食品の通販会社が、1000円のお試しセットを売っていたりしますよね。化粧品や健康食品は激戦区なので、クリック単価が既に1000円以上だったりします。それでも彼らがリスティング広告を掲出するのは、上限CPAを1件の受注粗利からではなく、顧客生涯価値から算出しているからです。
これは、お試しセットを購入した顧客が、3年間に平均数十万ぐらいは購入してくれているといった数字を把握していて、かつ、お試しセットを購入した顧客を本購入に引き上げ、リピートさせる仕組みが整っているから、CPAがたとえ1万円以上になっても大丈夫なのです。
化粧品や健康食品は激戦区です。CPAが1万円に収まればかなり良い方で、3〜5万円になったとしても珍しくない市場なので、このぐらいの予算を投下していかないと、競合との顧客獲得競争に勝てません。
通販に限らず、リピートが発生する商材の場合は、初回購入から1年〜3年程度での平均購入金額を算出して、そこから上限CPAを算出します。
通販を展開して、実際のCPAが上限CPAを大きく上回ってしまう場合は、顧客にリピート購入してもらう仕組みをきちんと構築するか、どうしても難しい場合は、リスティング広告以外の集客方法を考えていく必要があります。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。