Webサイトの目標を明確にすることのメリットとポイント
2021.06.20
当社ではWebサイトからお問合せがあった企業に最初の面談で必ず聞くことがあります。
それは近い未来の理想像です。
例えば、こんな質問をします。
「今回のリニューアル後に、どんな結果を出したいですか?(どんな状態になっているのが理想ですか?)」
その時に、意外と明確に答えられない企業があります。
自社のWebサイトが、企業活動の中でどのように位置づけられ、活用するのか、そしてどのような成果を出したいのかが曖昧だと、Web担当者は今何が問題で、今何をすべきかわからない状態になってしまいます。
このような場合、Webサイトも、ただあるだけの状態で、リニューアルの目的も、なんとなく「かっこよくしたい」というようなことになりがちです。
例えば、漠然と「反響を増やしたい」と考えている場合があったとします。
「リニューアル後に、どのぐらい反響を増やしたいですか?」と質問しても、「多ければ多いほど良い」という回答になりがちです(実はヒヤリングをしていて、こういう企業はとても多いです)。
でも、反響数を30%増やすのと、3倍を目指さなければいけない場合とでは、プランニング(戦術)が変わることがあります。例えば、30%増で良いならSEOをベースにベーシックなプランニングになるけど、3倍の場合は、SEOだけでなく検索広告やSNSで広告も併用するようなプランニングになるといった具合です。必要な予算も変わってきます。
本当に「多ければ多いほど良い」のでしょうか?
月に20件(1日1件ペース)しかお問合せを受けるキャパが無いのに、月に70件とか来たら結構苦痛ではないでしょうか?
それだったら、闇雲に数を追うよりも、20件の質を高める方が幸せなことが多いです。また、その方が費用対効果的な良いプランニングができることが多いです。
目標を明確にすることのメリット
まずはWebサイトで出したい成果(目標)を明確にしましょう。特にリニューアルを控えている時は必須です。そうすることで、次のようなメリットが出てきます。
- 戦術・施策をより具体的にできる
- ベンチマークする競合を間違わなくなる(競合も目標の大きさによってが変わってきます)
- Webサイトにヒトやカネといったリソースをどの程度割くべきかがわかってくる
- メンバー(内部だけでなく外部も)が今何をすべきか、今何をしているのかがわかる
目標を明確にする際のポイント
目標(Webサイトで出したい成果)を明確にする際には、次の3つを意識してみましょう。
- 率じゃなくて数にすること。
率より数の方が具体的なので、より心理的なコミットが強くなります。 - ターゲット顧客の設定をすること。
ターゲットが個人なら年齢/性別/ネット経験/利用頻度など、企業なら人数規模や売上規模といったデモグラフィックデータ以外に、どんなことに不満を不安を持っているかといったサイコグラフィックデータも調べます。これを理解した上で、コンテンツを企画やメディア一戦略を考えると、問合せの”質”が変わってきます。 - 定期的に評価すること。
放ったらかしにせず、成果が出ているか、目標に近づいているか、改善ポイントはないか、月に1度で良いのでチェックします。
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既にやられている企業にとっては“今更感”のある記事だったかもしれませんが、そのような企業でもそれを把握しているのは社長だけということもあります。あらためてWeb運営に関わるメンバーと認識が合っているか、確認していただければと思います。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。