ページの滞在時間を計測する際の注意点
2021.09.12
大学時代の友人のA君から、
「かなり気合を入れてランディングページを作ったのに、Googleアナリティクスを見ても、閲覧時間が全然伸びない!いろいろと写真を追加したりコピーを修正したりしているけど、改善されない、どうしたら良いか?」
と相談されました。
あなただったら、これにどう答えますか?
真剣に改善案を回答しますか?
それとも自分で考えろと突き放しますか?
山浦の答えは、、、
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「それはしょうがない」です。
■こういう場合は、突き放すべきだとかそういう話ではありません。
技術的にしょうがない話なのです。
Googleアナリティクスに限らず、一般的なアクセス解析プログラムがそもそもどのようにページの閲覧時間を計測しているかを理解すれば納得できるはずです。
■例えば、ユーザーがページAを見た後にページBに行ったとすると、Googleアナリティクスは、ページBに着いた時間からページAに着いた時間を差し引いて滞在時間とします。
だから、もしページBが外部サイトだった場合は計測できないんです。
例えば、ユーザーが次のように行動したとします。
ページAに10秒滞在
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ページBに25秒滞在
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ページCに15秒滞在
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(外部サイトへ離脱)
このサイトにユーザーが滞在した時間は、実際は10秒+25秒+15秒=計50秒ですよね。
でも、Googleアナリティクスには35秒と記録されてしまうんです。
なぜなら、Googleアナリティクスは、ページBにアクセスした時間からページAにアクセスした時間を引いて滞在時間を算出しています。だから、このユーザーが外部のページへと、いつ離脱したのか分からない(つまり、外部ページにアクセスした時間がわからないから、「外部ページにアクセスした時間 ー ページCにアクセスした時間」の計算ができない)ので、ページCの滞在時間が0秒となってしまうためです。
■ランディングページの場合は、半分以上の人がフォームに辿り着かずに離脱してしまいます。
その場合、離脱してしまった人の滞在時間は、実際には3秒いた人も、10分いた人も、等しく“0秒”と記録されてしまうのです。
ですから、滞在時間が伸びないんです。
フォームに進んだ人だけの滞在時間を抽出するとかはできますが、それはあくまでフォームに進んだ人の滞在時間であって、そのページの平均滞在時間ではありません。
■結局、ランディングページの場合は、滞在時間をKPIにするのはふさわしくないのです。
今だったら、Googleアナリティクスではなく、少し費用はかかりますが、ヒートマップのアクセス解析プログラム等を使った方が、ランディングページ改善に役立つ情報が得られます。
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。