上場企業のIR資料は良い参考資料
2023.03.18
先日、「山浦さんはどうやって情報を得ているの?」と聞かれました。
以前は圧倒的に本やセミナーが多かったですが、最近は、知っていることが多く、昔ほどそういったものから自分が有益だと思える情報が得られなくなって来ました。収穫逓減の法則ですね。もちろん本は今でも読みますが、ノウハウ系の本は知っている情報が多く、昔に比べて明らかに減りました。
むしろ、あえてそういったものを一定期間遮断してみて、自分1人で考える時間を確保した方が有益だったりします。その中でピンポイントで知りたいことなどが出てきたら、その部分だけ本やセミナーを探したり、詳しい人に聞いたりします。ビル・ゲイツの有名な「Think week※」みたいなものです。
※ビル・ゲイツは半年に1回、普段の業務からも離れて1週間まるまる1人で今後の戦略などを考えるそうです
さすがに私は1週間は無理ですが(たぶん本当は無理矢理にでもやった方が良い)、週末の土日を使って喫茶店に籠もってみたりということはよくやります。
ただ、この1人で考えるときに、“どんな状態の自分でそれをやるのか”は結構大事だと思います。普段の自分のまま、漠然と1人になっても、すぐに煮詰まって、大して良い思考を得られません。環境を整えるのも大事ですが、どんな資料を持ち込むか、直前にどんなインプットをするかも大事です。
普段からスクラップしておいた資料だったり、私が最近見るのは上場企業のIR情報です。特に決算説明資料です。
あなたは自分が属する業界の上場企業のIR情報を読んだことはありますか?
上場なんてしていなければ、普通は社外に見せたくないような会社の情報を、株主向けにとてもわかりやすくまとめて、Webサイトに公開しているのですよ。
当たり前ですが、投資するためにIR情報を読むのではありません。業績が良いかどうかも見ますが、それよりは下記のようなことを見ます。
- どんな経理理念を掲げ、どんな価値観を軸に経営しているのか
- 業界をとりまく状況をどのように捉えているのか
- どのような事業ポートフォリオを展開しているのか
- ビジネスモデルと儲けのポイント、センターピン
- どんな利益構造になっているか。利益、人件費や広告宣伝費の割合等
- 今後、どのような成長戦略を描いているのか
- 事業リスク
またIT企業の場合は、比較的若い企業が多く、まだ創業者が経営していることが多いので、その経営者の名前で検索してみて、どんな経歴の人なのか、過去のインタビュー記事などがヒットした場合は読んでみたりもします。
当たり前ですが、会社規模も含めて状況が全く違うので、そのまま参考にできるわけではないのですが、自分の発想を広げたり、視座を高めたりできます。
例えば、この上場企業の創業者がもし今の自分の立場だったら、どんなビジョンを掲げて、どう動くだろうか、何をやって逆に何を止めるだろうか、そんなことを考えてみたりします。
ただ漠然と1人になって考え事をするよりは良いアイデアが得られたそうな気がしませんか?
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山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。