商談時の話の順序
2022.05.14
私は立場柄、売り込みを受ける機会が多くあります。
先日、当社にアプローチしてきた営業代行会社の話を聞く機会がありました。
来社してくれたのは、人当たりが良さそうな営業マン。まだ立ち上げたばかりの会社で、会社の設立メンバーである取締役自ら来てくれました。(といっても私より一回り以上若い)
軽い雑談の後、その営業代行会社のサービスの説明をし始めました。そこまではとても自然な流れで流石と思いましたが、その話が5分を過ぎた辺りから、私は眠くなってきてしまいました。いろいろと資料を見せながらお話してくれるのですが、その営業マンが話してくれることが全然頭に入ってきません。
理由は、私の聞きたいことじゃないから。
私は、その自社のサービスをどのように売るかについて、いくつかアイデアを持っています。それがプロの目から見て現実的か、また、それに対してどんなサポートをしてくれるのか、いくらぐらいかかるか、他社で同じような事例が無いか、そんなことを聞きたかったのです。
私は、途中で、黙って聞いているのが耐えられなくなって、その営業マンの説明の中で、自分の話に持っていくタイミングを作って、半ば強引に具体的な話に切り替えました(^^;
その後の話は、流石でした。経験もいっぱいあるし、どのくらいの数にアプローチすれば、どのぐらいの結果が出そうといった予測値も聞けることができました。
■これ、どう考えても商談の順序が逆だと思いませんか?
最初にお客さんのことを聞いて、お客さんのニーズに自社がどういう貢献をできるのか話し、お客さんが興味を持ってくれてから、自社の説明を簡潔にした方が良いです。特に、相手が私のようなせっかちで時間の無い社長や役員の場合は尚更です。
D.カーネギーの名著「人を動かす」の中にこんな言葉があります。
あなたの話相手は、あなたのことに対して持つ興味の何百もの興味を、自分自身のことに対して持っているものである。
中国で百万人の餓死する大飢饉が起こっても、当人にとっては、自分の歯痛の方がはるかに重大な事件なのだ。
首にできたおできの方が、アフリカで地震が40回起こったよりも大きな関心事なのである。人と話をするときには、このことをよく考えていただきたい。
これはWebサイトでも同じですね。
Webサイトに書くことは、常に貴社のお客さんが解決したいことが発想の起点になっている必要があります。
なぜなら、お客さんにとって、インターネットは問題解決ツールなのだから。
関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。
山浦 仁 / ウェブラボ株式会社 代表取締役
大学卒業後、大手Web制作会社にてWebディレクターとして数多くの国内大手企業のプロジェクトに携わる。2004年にウェブラボを設立。2007年には中小企業向けのWeb制作ノウハウとCMS機能をパッケージにした「サイト職人CMS」を発表。現在は、中小企業だけでなく大手企業からの引き合いも多く、Webコンサルタントとしても活動中。上級ウェブ解析士。全日本SEO協会認定コンサルタント。