Android12になり、結局どこが変わったの?(システム編)
2022.07.25 Posted by Design team
みなさん、こんにちは。ウェブラボデザイナーチームです。
先日、Android12になり、結局どこが変わったの?(デザイン編)の記事でAndroid12による見た目のデザインについてご紹介しましたが、今回は少し深く潜り、内部システムについていくつかご紹介していきます。
目次
Android12でどのようなシステム変更があったのか
システムについては新要素が多いため、今回は4点に絞ります。
- システムアニメーションの改善
- プライバシーへの配慮
- カメラ・マイクの使用時の変化
- 充電方法の改善
紹介に入る前にまず、Android12のベースとなっている「Material You」をざっくりと説明したいと思います。
Material You とは
『デバイスに愛着が持てるようにし、様々な場面、ニーズに対応できるUI』がコンセプトとなっており、どちらかといえば製作者向けではなく、ユーザー向けの仕組みになります。
Googleによれば、ユーザーが生活していく上で多くの場面でスマートフォンなどでサービスを利用するようになった結果、自分の端末にパーソナライズ※を求めるようになったといいます。
(※パーソナライズ = 一人ひとりにあわせて変更すること、属性や興味、趣味嗜好、行動などにあわせて、最適な情報やサービスを提供すること)
そこで、様々なスタイルに合わせ、様々なケースに対応でき、ユーザー側にもデザイン操作の権限を共有し、ボタンやアイコン・ウィジェット・マージン・テキストサイズなどを設定できるようにしたのがMaterial Youになります。
Googleは情報を集め整理し、ユーザーが使いやすいように提供する会社なので、設定項目をむやみに増やしたりはせず、AIなどを使い簡単に操作できるようにしてあるのがMaterial Youの特徴でもあります。
Unveiling Material You – Material Design(https://material.io/blog/announcing-material-you)
ではシステムの紹介に入りたいと思います。
1.システムアニメーション・電力負荷の改善
画面遷移時のアニメーションが一新されました。より滑らかに自然な動きとなり、それに合わせてCPUの動きも改善されています。
Android公式サイトによると
Android 12 にアップグレードするだけで、消費電力を軽減しバッテリーの持ちを改善することができます。
「 Android 12 Beta の新機能」では、「処理性能を担うCPU動作時間が最大22%削減、システムサーバーにおけるビックコア使用率は最大15%削減」とされており、端末にかかる電力負荷を削減できます。引用元:Android 12とは?新機能から変更点など一挙紹介(https://www.android.com/intl/ja_jp/articles/android12/)
とのことです。
アニメーションが一新されたため、視覚的に大きな変化ですが、CPUはとてもエコな動きをするように改善されましたね。
2.プライバシーへの配慮
普段使用しているアプリケーションの中には「何のために位置情報が必要なの?」と思うアプリが多くありますよね。もちろん位置情報の権限を切ることは可能ですが、そのアプリケーションを使用するために位置情報の権限を強制される場合があります。このような場合に「正確な位置情報」ではなく、「おおよその位置情報」を選択できるようになりました。もちろんアプリケーション毎に設定可能です。
地図など正確性を求めるアプリには不向きですが、こうした個人情報の流出が不安になる場面には活躍してくれる機能です。
3.カメラ・マイクの使用時の変化
アプリケーションでマイクやカメラを使用すると画面右上に緑色のアイコンが表示されるようになりました。これにより動画撮影などが出来ているのかの判断がしやすくなり、また、アプリが裏でこっそりカメラやマイクにアクセスしようとした場合に気づくことができます。第三者による盗聴、盗撮の防ぐことが出来ます。
この機能は「プライバシーの配慮」に通ずる部分もありますね。
4.充電方法の改善
Pixelシリーズには「アダプティブ充電」という機能があります。
アラームが翌日午前5〜10時の間に設定されている状態で21時以降に充電すると、充電速度を落とすことでバッテリー負担を軽減してくれる機能です。
Android12では新たに機能が追加され、アラームがなる数時間前までは満充電にならないように充電し、さらにバッテリー負荷を軽減してくれるようになりました。
ただしこの機能はPixelシリーズ限定であり、適用されるのは21時〜4時の間にアラームを設定した場合のみとなっています。
バッテリーの問題についてはスマホメーカー各社が独自の機能をつけていることもあり、標準搭載されるのはもう少し先になりそうです。
まとめ
内部システムについては、バッテリー問題とプライバシーへの配慮がメインで改善されていますが、それが違和感なくアニメーションや見た目・機能の変化として視覚的に表現されていますね。また、ユーザーがデザインに関わることにより、自然と変化に対応できる体制が整っていると感じました。今回はOSについてご紹介しましたが、アプリケーションやWebサイトについても、ユーザーによって色や動きが変化するなど、今後、さらにパーソナライズが求められる時代が来ても不思議ではないですね。
ぜひ『デザイン編』も合わせてご覧ください。
Android12になり、結局どこが変わったの?(デザイン編)
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