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形が似ている記号の誤用に注意!違いと用途を解説【その他いろいろ編】

2023.06.26 Posted by

みなさん、こんにちは。ウェブラボデザイナーチームです。
世の中には形の似ている記号がたくさんありますが、あなたは正しく使えていますか?特にデザイナーをはじめ、Webサイト制作に関わる方はアクセシビリティの観点からも要注意です。

 

先日は引用符に関する紛らわしい記号を集め「引用符編」として違いや用途を解説致しました。後編のこの記事は「その他いろいろ編」と題し、引用符以外の誤用しやすい記号に関してWebでよく見かけるものを厳選してご紹介します。
※先に前編の「引用符編」をチェックしておきたい方はこちらから。
形が似ている記号の誤用に注意!違いと用途を解説【引用符編】

 

表の見方

環境やフォントによって変わってしまわないよう画像化した記号を載せています。フォントは全てNoto Sans JP Mediumを使用し、大きさも揃えています。
名称 Unicodeの正式名称です。
Unicode Codepoint Unicodeで割り当てられている番号です。
読み上げ Macに標準搭載されているアクセシビリティ機能「読み上げコンテンツ」で、対象の記号を読み上げました。その結果を文字に起こしています。

似ている記号① < > と 〈 〉

目立たせたいときなどに鉤括弧の代わりによく使う、なんて方も多いのではないでしょうか。おそらくどのフォントでもある程度形の差が確認できていると思われますが、角の鋭さが違っているだけでとても似ていますね。
しかしこの2つ、意味も用途も全く違うんです。

 

まずは最初の < > です。

Fullwidth Less-Than Sign と Fullwidth Greater-Than Sign
名称 <:Fullwidth Less-Than Sign >:Fullwidth Greater-Than Sign
Unicode Codepoint <:U+FF1C >:U+FF1E
読み上げ <:小なり >:大なり

これは日本語でいう全角の不等号で、≦(小なりイコール)などの仲間です。そのため、本来< >を括弧として使用するのは不適切。読み上げ機能を使用している方にとっては何かの比較が始まったのか?と混乱させてしまうかもしれません。
キーボードの「ね」「る」に割り当てられているためShiftキーを使って簡単に入力できますが、注意が必要です。

 

続いて後の 〈 〉 です。

Left Angle Bracket と Right Angle Bracket
名称 〈:Left Angle Bracket 〉:Right Angle Bracket
Unicode Codepoint 〈:U+3008 〉:U+3009
読み上げ 〈:ブラケット 〉:ブラケット ※発音は「ぶらっくうぇっと」と聞こえたのですが記号名からも正しくは「ブラケット」だと思われます。

日本語では山括弧(やまかっこ)と呼ばれます。括弧として使用したい時はこちらが正解。通常どおり入力した鉤括弧をまとめて変換すると候補に出てきますよ。

 

正しく使えば読み上げ機能も括弧として配慮してくれます。
例えば不等号を使った以下の文章。

似ている<記号>です。

これを読み上げると以下のようになりました。

にている しょうなり きごう です

大なりは省略されますが小なりだけが読み上げられて文章の意味がよく分かりません。
では山括弧を正しく使った次の文章はどうでしょう。

似ている〈記号〉です。

これは以下のように読み上げられました。

にている きごう です

なんと「きごう」の前後に半拍おかれて、まさしく括弧でくくって強調するような読み上げ方になっていました。賢い……。

似ている記号②  と #

SNSで「ハッシュタグ」が広く知られるようになって、違う記号だったのかと気づいた方も意外と多いのではないでしょうか。

 

まずは最初の です。

Music Sharp Sign
名称 Music Sharp Sign
Unicode Codepoint U+266F
読み上げ シャープ

名称からも分かるとおり音楽記号のシャープです。日本語では嬰記号えいきごうとも呼ばれるそうですよ。

 

続いて後の # です。

Number Sign
名称 Number Sign
Unicode Codepoint U+0023
読み上げ 読み上げられず

こちらがハッシュタグのマークで使われている記号です。日本語では番号記号ともいい、電話のキーパッドについているのもこちらです。慣例的にシャープと呼ばれているのでちょっと混乱しますね。

 

デザインにおいては、ハッシュタグを記載したバナーを作成する、なんて機会も多いのではないでしょうか。フォントによっては角度がほんの少し違うだけでかなり似通っている場合もありますので気をつけましょう。
余談ですが、ピアノができる友人に形の違いに気づくかと尋ねてみたところ「分からないかも。でも楽譜にハッシュがあったら絶対に違和感がある」だそうです。音楽モチーフのデザインの際は特にご注意ください。

似ている記号③  と ~ と 

最初と最後は違いがわからないほどですが、正真正銘異なる記号です。正しい使い分けをおすすめしますが、実はちょっと訳ありです……。

 

まずは最初の です。

Wave Dash
名称 Wave Dash
Unicode Codepoint U+301C
読み上げ 記号単体では読み上げられず

こちらは波ダッシュと呼ばれる記号で、日本では最も一般的な波線としてお馴染みです。「東京〜大阪」のように範囲を表したり省略記号として使われることが多く、長音符として「やった〜」のように使用すると「やったぁ」と読み上げてもらえます。

 

続いて二番目の ~ です。

Tilde
名称 Tilde
Unicode Codepoint U+007E
読み上げ チルダ

こちらは発音区別符号と呼ばれる記号で、スペイン語やポルトガル語などいくつかの言語において鼻にかかった発音の目印として使用されています。ただしプログラミング言語ではまた少し違った使い方をします。

 

そして最後の です。

Fullwidth Tilde
名称 Fullwidth Tilde
Unicode Codepoint U+FF5E
読み上げ 記号単体では読み上げられず

一番ややこしいのがこちら。チルダには波ダッシュとほぼ同じ見た目の全角チルダが存在します。名称やコードポイントからも分かるとおり確かに異なる記号として扱われてはいるのですが、ほとんどのフォントにおいて見た目での判別はほぼ不可能です。

 

波ダッシュと全角チルダの形の比較
そして困ったことに、WindowsOS環境において一般的な方法で波線を入力するとこの「全角チルダ」が適用されてしまうんです。混乱しますね。これには複雑な理由と経緯があるのですが、長くなってしまうのでここでは割愛します。

 

とはいえ、文字コードを気にしなければならないプログラミングなどでない限り、一般的な業務では波ダッシュと全角チルダの違いや正しい使い分けにそれほど神経質になる必要はありません。WindowsOSとMacOSでデータをやりとりした際に、環境によって見た目が若干異なる場合があるくらいです。
知識として

  • 一般的な波ダッシュとチルダは区別される
  • チルダには半角と全角がある

とだけ押さえておき、半角と全角をきちんと切り替えて使い分けておけばOKです。

 

注意したいのは、フォントによっては波ダッシュと全角チルダのどちらか1つしか用意されていない場合がある、という点です。PhotoshopやIllustrator等のアプリケーション上でフォントを扱う際にうまく変換できず豆腐文字になってしまうケースがありますので、画像を作成するデザイナーの方などは気をつけてみましょう。

まとめ

以上、その他いろいろ編でした。ここで解説したものはほんの一握りです。迷ったときは、別のフォントでも表示してみる、ユニコードで検索してみる、などの確認を忘れずに!
前編の「引用符編」はこちらです。
形が似ている記号の誤用に注意!違いと用途を解説【引用符編】

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