色のトーンについて
2021.08.19 Posted by Design team
ホームページ制作やデザイン制作において、配色に悩む機会は多いでしょう。
- 「どの色を使えばよいのか分からない」
- 「色の組み合わせ方が分からない」
このように感じている方もいるのではないでしょうか。
色を表現する際は、「色のトーン」を意識することが重要です。トーンとは、明度と彩度を複合させた概念のことで、色調(色の調子)とも呼ばれます。トーンを手がかりにしながら色を選ぶことで、イメージ通りの配色を実現できるでしょう。
今回は、初心者向けに、色のトーンについて分かりやすく解説していきます。色の表現方法が分からない方や、色の基礎について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
トーンとは
まずは、トーンとは何か簡単に解説します。
皆さんは、色の三属性をご存知でしょうか。色の三属性とは、色相・明度・彩度のこと。それぞれ以下のような意味合いを持っています。
- 色相:色味の違い
- 明度:色の明るさの度合い
- 彩度:色の鮮やかさの度合い
色の三属性のうちの「明度」と「彩度」を複合させた概念が、「トーン」です。「同じような明度・彩度を持つ色を集め、グループ化したもの」だと考えてください。日本語では、「色調(色の調子)」と表現されることもあります。
「青色」と一口に言っても、薄いトーンの青色・明るいトーンの青色・強いトーンの青色など、様々な「青色」が存在します。それぞれ違う特徴を持っており、与える印象も大きく異なります。
ホームページ制作やデザイン制作を行う際には、作りたいコンテンツにぴったりなトーンの「青色」を選びましょう。
また、明るいトーンの青色・明るいトーンの黄色・明るいトーンの赤色など、同じトーンの色を組み合わせることで、統一感のある配色が可能になります。
PCCSにおけるトーン
PCCS(Practical Color Co-ordinate System)とは、財団法人日本色彩研究所によって発表されたカラーシステムのこと。効果的な配色や色彩調和を考える際に非常に役立つので、ぜひ覚えておきましょう。
なお、PCCSでは、色の三属性のうちの色相を「ヒュー」、明度と彩度をまとめて「トーン」と呼んでいます。
PCCSのトーン概念図では、明度を縦軸に、彩度を横軸にしながら、全部で12種類のトーンがマッピングされています。
次の章では、それぞれのトーンがどのような印象を与えるのか具体的に解説していくので、ぜひ参考にしてください。
各トーンのイメージ
上述の通り、PCCSにおいて、トーンは12種類に分類されています。具体的には以下の通りです。
- ペールトーン
- ライトグレイッシュトーン
- グレイッシュトーン
- ダークグレイッシュトーン
- ライトトーン
- ソフトトーン
- ダルトーン
- ダークトーン
- ブライトトーン
- ストロングトーン
- ディープトーン
- ビビッドトーン
各トーンの特徴を紹介していくので、比較しながら読み進めてみてください。
1. ペールトーン
ペールトーンは、低彩度・高明度のトーンで、爽やかで澄んだ印象を与えます。「パステルカラー」と呼ばれることも少なくありません。
ペールトーンのイメージは以下の通りです。
「淡い/優しい/薄い/軽い/かわいい/女性的/若々しい/弱々しい/あっさりしている」
2. ライトグレイッシュトーン
ライトグレイッシュトーンは、低彩度・明るめのトーンです。ほどよい明るさで、落ち着きを感じさせてくれます。
ライトグレイッシュトーンのイメージは以下の通りです。
「明るい灰みの/落ち着いた/静かな/シックな/おとなしい/年老いた/渋い」
3. グレイッシュトーン
グレイッシュトーンは、低彩度・暗めのトーンです。一見地味な印象ですが、上品さや大人っぽさも感じられるでしょう。
グレイッシュトーンのイメージは以下の通りです。
「濁った/地味な/灰みの/ネガティブ/悲しさ/懐古的な/上品な/洗練された」
4. ダークグレイッシュトーン
ダークグレイッシュトーンは、低彩度・低明度のトーンであり、重さや高級感を感じさせます。
ダークグレイッシュトーンのイメージは以下の通りです。
「暗い灰みの/陰気な/重い/硬い/怖い/男性的/クラシカル/高級感」
5. ライトトーン
ライトトーンは、中彩度・高明度のトーンです。健康的な印象を与えたい時や、明るくてポップな印象を与えたい時には、ライトトーンの色を使用すると良いでしょう。
ライトトーンのイメージは以下の通りです。
「爽やかな/澄んだ/楽しい/子供っぽい/健康的/浅い」
6. ソフトトーン
ソフトトーンは、中彩度・明るめのトーンです。穏やかで親しみを感じやすいトーンだと言えるでしょう。
ソフトトーンのイメージは以下の通りです。
「柔らかい/穏やか/ぼんやりしている/優しい/アットホーム」
7. ダルトーン
ダルトーンは、中彩度・暗めのトーンです。地味な印象も受けますが、味わい深い魅力があります。
ダルトーンのイメージは以下の通りです。
「鈍い/中間色の/くすんでいる/湿っぽい/気だるい」
8. ダークトーン
ダークトーンは、中彩度・低明度のトーンです。大人っぽくて渋い雰囲気を演出したい場合には、ダークトーンの色が最適でしょう。
ダークトーンのイメージは以下の通りです。
「大人っぽい/暗い/丈夫な/円熟した/渋い」
9. ブライトトーン
ブライトトーンは、高彩度・明るめのトーンです。ポジティブで華やかな印象を与えてくれます。
ブライトトーンのイメージは以下の通りです。
「明るい/健康的/華やか/陽気/ポジティブ」
10. ストロングトーン
ストロングトーンは、高彩度・中明度のトーンです。力強さを感じさせるので、大きなインパクトを与えたい場合に有効でしょう。
ストロングトーンのイメージは以下の通りです。
「力強い/アクティブ/情熱的/くどい/動的」
11. ディープトーン
ディープトーンは、高彩度・暗めのトーンです。深みがあり、非常に安定感があります。日本の伝統的なデザインにおいても、ディープトーンが使われることが少なくありません。
ディープトーンのイメージは以下の通りです。
「濃い/深い/伝統的/和風/充実している」
12. ビビッドトーン
ビビッドトーンは、最も彩度が高いトーンです。「純色」とも呼ばれます。アクティブで派手な印象を与えたい場合は、ビビッドトーンの色を使用すると良いでしょう。
ビビッドトーンのイメージは以下の通りです。
「鮮やか/冴えた/派手/目立つ/生き生きした」
まとめ
初心者向けに、色のトーンについて分かりやすく解説しました。ぜひ当記事を参考にしながら、それぞれのトーンの特徴を理解し、上手く使い分けてみてください。
関連記事こちらの記事も合わせてどうぞ。