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デザイナーじゃなくても知っておきたい!「エシカルデザイン」とは?

2021.06.10 Posted by

デザイナーじゃなくても知っておきたい!「エシカルデザイン」とは?近年、動物愛護や環境問題の話題でエシカルというキーワードをよく見聞きするようになりました。他にも、私たちが意識すべき取り組みにSDGsの17目標がありますが、その中でもエシカルという言葉は何度も目にします。

 

このエシカルの概念は、Webサイトのデザインを考える際にも、非常に大切な要素となります。そのため、エシカルデザインという言葉があるほどです。今回は、エシカルデザインとは一体どのようなものなのか、デザインを考案するうえで注目しておきたいポイントについてわかりやすく解説していきます。

エシカルデザインとは

本来、エシカル(ethical)とは、「倫理的な」や「道徳的な」という意味をもっている言葉です。「エシカルファッション」「エシカル消費」などは聞いたことがあるかもしれませんね。

ですから、エシカルデザイン(ethical design)とは「倫理的、道徳的なデザイン」を意味します。倫理的や道徳的デザインといわれると難しく感じますが、「大事なのはユーザー個人や社会がより豊かになるようデザインしよう(追及すべきはビジネス的な利益だけではない)」という考え方だと伝えるとわかりやすいでしょうか。

 

つまり、「あらゆるプロダクト/サービスを制作するのなら、倫理的な観点をもってデザインしよう」ということです。

エシカルデザインを進めるにあたって注目すべきポイント

Webサイトにおいても、CVRやKPIなどのビジネス的目標を達成することに夢中になるあまり、倫理性を欠いてしまっているものは多くみられます。たとえば、次のようなデザインは倫理性に欠けるといえるでしょう。

 

・急に画面いっぱいに広がるセールのメッセージ

・目立たない場所にある、最初からチェックが入った「メールマガジンを購読する」フォーム

・閉じるボタンが押しづらくミスタップを誘うような広告バナー

・重要なのに読み飛ばしてしまうくらい小さい注意書き

 

上記のようなものは、日常で心当たりがある方は多いのではないでしょうか。倫理性を欠いた施策では、ユーザーの信頼は落ちてしまいます。仮に目標を達成してもそれは一時的なもので、長期的な成功には繋がりにくいでしょう。そればかりか、悪評が立ってしまうようなことがあれば結果ビジネス的にも不利益になる可能性が高くなります。そのため、Webサイトをはじめ、デジタルプロダクト/サービスをデザインする際もエシカルな観点を忘れてはいけません。

 

Webサイトのデザインを考えるうえで注目すべきポイントは多いですが、その中でもエシカルデザインにおいておおよそ共通するものを以下にまとめてみました。

ポイント1:アクセシビリティについて

ユーザーの年齢や身体的特徴、使用するデバイスなどに関係なくサービスを使用できるかが大切です。

ポイント2:学習、記憶のしやすさについて

初めてサービスを使用するユーザーでもストレスなく直感的な操作ができるか、動作や手順が記憶しやすいか、簡単に学習が進められる仕組みがあるかが大切です。

ポイント3:効率性について

サービスを素早く効率的に使用できるかが大切です。ユーザーの手間が最小限になっていて、無駄な作業を繰り返させるようなことはないか確認しましょう。

ポイント4:エラー時の対応について

致命的なエラーはないか、エラーの発生率は低いかが大切です。もしエラーが起きたとしても簡単に回復できる仕組みが整っていなければなりません。

ポイント5:プライバシーについて

プライバシーでは個人情報の取り扱いは正しく行われているか、それがガイドラインなどを通してユーザーにも知らされているかが大切です。他にも、ユーザーが公開したくないものを、意図せず公開してしまう設計になっていないかの視点も忘れないようにしましょう。

ポイント6:生活、環境、時間(中毒性)について

ユーザー自身や周囲の人々の生活、環境がより豊かになるものであるか、時間を必要以上に奪っていないかが大切です。他にも、サービスの特性によって過度にのめり込み依存してしまうなど、ユーザー自身や周囲の生活を壊してはいないか、時間や健康への配慮も忘れてはいけません。

多くは、サービスの目的や理念、ビジョンといった根本に関わる部分です。デザイナーだけでなくプロジェクトチームや会社全体で強く意識を持ちましょう。

 

これらの注目すべきポイントは、サービスや対象ユーザーによっても異なります。そのため、まずはユーザーを理解し、想像力を働かせる必要があります。

しかも困ったことに、自分はエシカルデザインとして考案しているつもりでも「制作側が意図していない利用方法で悪用されてしまった」や「長期的にみたらユーザーが損をすることになっていた」など予想外の影響がでることもあります。サービスを利用する背景やとりまく環境をよく調査し、サービス自体への理解を深めることも重要です。

まとめ

エシカルデザインをただ推し進めるだけでは、優れたサービスを生み出すのは難しいでしょう。なぜなら、「利益をあげる」等のビジネス的な目標を達成することが疎かになるからです。大切なのはどちらも損なわないようなデザインです。

 

エシカルデザインの考え方はあらゆる分野に通用するため、デザイナーに限らず誰もが知っておくべきものです。まずはプロジェクトの関係者に共有して認識を合わせることから始めていきましょう。

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