小さな会社こそブランドを意識しよう
2009.05.28 Posted by 山浦 仁
『小さな会社のブランド戦略』
(著) 村尾隆介(PHP研究所)
“ブランド”を意識している大企業は多いですが、小さな会社でブランドを意識している会社は非常に少ないです。
本書は、小さな会社こそブランドが大事であり、それをどうやって育てていけばよいかを書いたものです。
価格競争から脱したい小さな会社の経営者は参考になることが多い本です。
小さな会社は大企業のように規模の経済性を働かせたり、体力にまかせて価格勝負はできません。そんなことをしたら潰れてしまいますよね。
だから、小さな会社は価格を上げていかなければなりません。
小さなブランド会社の理想は「値段が多少高くても、喜んで支払ってもらえるようにする」です。価格を下げずに、価格を上げることで利益を生むのがスマートです。
小さな会社が目指したいのは、「ちょっと高めの価格帯のブランド」です。
とあります。
ではどうやってブランドを作っていけば良いのか。
ブランド作りの原動力として、次の2つのことを挙げています。
・ミッション
・No1戦略
「ミッション」とは「使命感」のこと。
会社や経営者、そこで働くスタッフに「使命感があるか否か」が、最終的には「引力(お客さまや優秀なスタッフを引きつける力)の有無」に関わってきます。
「スタッフがブランドであること」「ブランドを理解していること」が重要。
会社が何のために存在しているのか、そうして自分たちがそれを
やらなければならないのか、どこまでいったら満足なのか、をスタッフの心に響く形で文章にしていくこと。
そのためには
自問自答でも良いし、他人から質問してもらう
「なんでこれをやるの?」
「なんで君じゃなきゃダメなの?」
「なんでこの価格なの?」
「どうして“今”じゃなきゃだめなの?」
これは商売の基本ですね。
日々の仕事を理由に、考えることから逃げがちになりますが、やはり真正面から取り組まなければならない問題であり、そこから逃げていては成長できないということです。
もう1つの原動力、No1戦略とは、小さな会社の場合はポジショニング戦略のことです。
小さなブランドを築いた人たちは、どんなに小さな世界でも良いので、まずは自分が定めた舞台で一番になることを大切にします。そして、そこで得たブランド力や信用力で、次のプランや事業にコマを進めます。一つもブランドと呼べるようなものを築いていないうちから次へは急ぎません。その方が、はるかに効率が良いことを知っているからです。
人は「一番」なら、比較的簡単に覚えてくれます。ならば、会社も「一番」を目指せば良いのです。そして、それは地域や業界の小さな一部分の中での「一番」で十分です。
自ら新しいカテゴリーを作っても良い。浅く広く事業をやるよりも、一つの分野でしっかりとブランドをつくるほうが、中長期的に見れば、はるかに効率が良かったりします。
これらのことは、会社経営をしている人であれば、いつも考えていることかもしれません。
しかし、何を今さらと言わずに、素直に読み返してみると、いろいろと気づきがある本だと思います。
気づけば、私のTo Doリストも、この本を読んで増えてしまいました(^^;
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