DtoC(D2C)って何?BtoCとの違いと注目される理由
2021.01.14 Posted by watanabe.k
皆さんは「DtoC」という言葉をご存知でしょうか?アメリカでは既に流行しているDtoCですが、近年はSNSの普及やEC市場の拡大によって、日本においても急速に需要が伸びています。
しかし、DtoCというビジネスモデルについて詳しく理解している人は、まだまだ多くありません。
そこで今回は、注目のビジネスモデルである「DtoC」について、初心者向けに分かりやすく解説していきます。DtoCの基礎知識はもちろん、メリットやデメリット、成功事例などについても触れています。ぜひ参考にしてみてください。
目次
DtoCとは
まずは、「DtoC」とは何か、簡単に解説していきます。
DtoCとは、自ら企画・製造した商品を卸売業者や販売代理店などを通さずに、自社ECサイトを通じて直接消費者に販売するビジネスモデルのこと。「Direct to Consumer」の略語であり、「D2C」と表記されることも多いです。
企画から製造、販売までを全て自社で行う「直販型ビジネスモデル」のため、販売手数料や中間マージンなどのコストをカットできます。さらに、実店舗の数を抑えることで固定費の削減も可能です。ゆえに、商品のクオリティや価格設定に力を入れることができます。
2000年代後半よりアメリカでの成功事例が注目を集め、近年は、日本においてもDtoCに取り組む企業が増加しています。特に、アパレル業界・美容業界・食品業界などにおいて、大企業を中心にDtoCを採用するケースが増えています。
BtoCとの違い
「DtoC」と似たような言葉に「BtoC」というものがあります。
BtoCとは、「Business to Consumer」の略で、企業と消費者間の取引を表すビジネス用語です。小売店(コンビニ・スーパー・ドラッグストアなど)が代表的なBtoCモデルだと言えるでしょう。
上述の通り、DtoCの場合は企画から製造、販売までを全て自社で行います。一方で、BtoCの場合、必ずしもそうではありません。小売店は、自ら商品を企画・製造しているのではなく、メーカーや卸売業者から商品を仕入れています。その上で、商品を消費者に販売しているわけです。
なお、「BtoC」と並んで「BtoB」という言葉も存在します。これは「Business to Business」の略で、企業と企業間の取引を表すビジネス用語です。
DtoCが注目されている理由
DtoCが注目されている理由として、「SNSの普及」と「サブスクリプションの台頭」が挙げられます。
SNSの普及
自社ECサイトで安い商品を販売しても、簡単に売上げは上がりません。そもそも、圧倒的なブランド力やWebマーケティング力がない限り、多くの消費者を自社のECサイトに集めることは難しいです。さらに、ECサイトに訪問してくれた消費者も、なかなか購入ステップには進んでくれないでしょう。
しかし、SNSの普及により、状況は一変しました。Twitter・Facebook・InstagramなどのSNSを上手く活用することで、多くの消費者にアプローチできるようになったのです。そのため、自社ECサイトに多くの消費者を集めることが可能になりました。
また、SNSで消費者と直接コミュニケーションを取ることで信頼関係が構築され、結果的に「自社のファン」が増えていきます。自社のファンになってくれた消費者は、そうでない消費者と比べて、購入ステップに進んでくれる可能性が非常に高いです。ゆえに、SNSを活用しながらDtoCのビジネスモデルを採用する企業が、年々増えているのです。
サブスクリプションの台頭
時代とともに消費者の価値観も変わり、何かを所有するのではなく利用したい、という需要が増えてきました。そこで台頭したのがサブスクリプションです。サブスクリプションとは、商品やサービスごとに購入するのではなく、定額料金を支払うことで商品やサービスの利用権を得るようなビジネスモデルを指します。
通常、ECサイトでの商品販売では、リピーターを増やすことが難しいと言われています。しかし、サブスクリプション型のビジネスモデルの場合、消費者を強く囲い込むことができるので、長期的な利益を生み出すことが可能です。
そのため、DtoCとサブスクリプションを組み合わせたサービスを提供する会社が増えています。毎月おすすめの化粧品を届けるサービスや、季節ごとに旬の食材を届けるサービスなど、様々な分野で、「DtoC×サブスクリプション」のビジネスが注目されています。
DtoCのメリット
DtoCには、以下のようなメリットがあります。
- 利益率が高い
- 顧客データの収集が可能
- 幅広いマーケティングを行える
上述の通り、DtoCでは販売手数料や中間マージンなどのコストをカットできます。実店舗にかかる固定費もカットできるので、利益率の高いビジネスが可能です。
また、自社ECサイトにて直接消費者にリーチできるので、顧客データをダイレクトに収集することができます。
さらに、DtoCは、自社内での販売チャネルしか使用しないため、第三者による制約を受けることがありません。よって、幅広いマーケティング戦略や独自のキャンペーンなどを実施することが可能です。
DtoCのデメリット
DtoCには、以下のようなデメリットもあるので注意してください。
- 環境構築コストが必要
- ブランディングが必要
DtoCを行うためには、自社のECサイトや物流システムを用意しなければなりません。そのために、ある程度のコストが必要なので、注意しましょう。
また、ブランディングが弱すぎるとDtoCは成功しません。SNSなどを駆使しながら、効果的に自社のブランドを認知させていきましょう。
DtoCの成功事例
DtoCの成功事例として、以下が挙げられます。
- BULK HOMME(バルクオム)
- ドモホルンリンクル
BULK HOMME(バルクオム)
BULK HOMMEは、株式会社バルクオムが展開するメンズ用化粧品ブランドです。シンプルで洗練されたブランドイメージをSNSで積極的に発信して、自社のECサイトに集客し、サブスクリプションでの商品販売を徹底しています。
ドモホルンリンクル
ドモホルンリンクルは、株式会社再春館製薬所が手掛ける基礎化粧品。テレビCMなどで積極的にブランディングを行っています。また、自社工場での製造や物流に至るまで、中間業者を使わないことで、大幅なコスト削減に成功しています。自社ECサイトも充実しており、まさに代表的なDtoCだと言えるでしょう。
DtoCを成功させるためのポイント
DtoCを成功させるためには、以下の2点が重要です。
- 商品のクオリティを上げる
- SNS運用に注力する
いくらマーケティングやブランディングを行っても、商品自体に魅力が無ければDtoCは成功しません。そのため、消費者の意見などを参考にしながら、商品力を高めていくことが重要です。
また、DtoCでは消費者に認知されること、そして消費者と信頼関係を構築することが非常に大切です。そのために効果的なのは、やはりSNSです。実際、DtoCで成功した多くの企業は、SNSマーケティングを積極的に行っています。皆さんも、ぜひSNS運用に注力してみてください。
まとめ
注目のビジネスモデルである「DtoC」について、初心者向けに分かりやすく解説しました。DtoCを採用する企業は年々増えており、今後も、EC業界のトレンドになることが予想されます。皆さんも、当記事を参考にしながら、ぜひDtoCに着目してみてください。
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