同意なしでのCookie利用が国内でも規制へ?私たちが知っておくべきこと
2019.12.19 Posted by suzuki.a
どんなWebサイトを閲覧したのかを記録するCookieですが、ヨーロッパの例にならい、日本でもついに規制化の流れがきそうです。
みなさんは、公正取引委員会がCookieの利用を規制する方向で検討に入ったと10月29日付で朝日新聞により報道され、ネット上で話題になっているのをご存知でしょうか。
Cookieがどういうものか簡単におさらい
Cookieは、Webサイトを閲覧したときのデータを一時保管する仕組みです。ユーザーのコンピューターにCookieが保存されると、次回以降にCookie発行元のWebサイトを訪れた際、前回の続きのページを表示できるというもの。どちらかというと一般的なユーザーに優しい仕組みではあります。
なぜCookieの利用が規制されるのか?
公正取引員会は、大企業がWebサイトを使う人の情報を(本人の知らない間に)収集し、それを利用して広告を出すなどの自社利益につなげていこうとする行為が「独占禁止法」にあたるのではないか?と考えているようです。
利用者の行動追跡に利用できるCookie=個人情報なので、それを許可なく集め、利用することが問題であるとし、Cookieを規制する方向で動いているとのこと。
そもそもヨーロッパで話題となったプライバシーに関する規制※がGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などの巨大ITプラットフォーマーの大量の個人情報収集に対する規制に端を発しているのですが、公正取引員会が主導となって話が進められていきそうな今回のCookie規制は、どうやらITプラットフォーマーへの牽制という意味合いにとどまらない様子。
大量の個人情報を同意なしで収集し、独占的な立場を利用しようとするすべての企業に対しての牽制、という意味合いがあるようです。
※EU圏内の個人情報保護を定める「GDPR(General Data Protection Regulation=一般データ保護規約)」
Cookieの利用規制がもたらす影響
ではCookieの利用規制が行われた場合、どんな状況が想定されるのか見ていきましょう。
「GDPR(General Data Protection Regulation=一般データ保護規約)」では、日本の個人情報保護法が定める「個人情報」と比べ、Cookieを含めたより広範囲な「個人データ」が保護されています。
Cookieは個人データとして扱われ、情報を取得する際にはポップアップなどで利用目的を示し同意を得る必要があると定められているので、実際にWebサイトの利用時にはこれでもかというくらいポップアップが出てきます。日本でも同様のことが十分起こり得ますので、Webサイトを管理する側は、ポップアップの表示などを含めさまざまな対応が求められることになると考えられます。
まとめ
このCookie規制報道についてはまだ”動きがありそう”、という段階で、今すぐ規制が始まるといったことではないと思われます。
現状は今後の報道を待つしかない状況ですが、もしも規制が確定した場合、少なくともWebサイト上で何かしらの対応が求められることになるでしょう。
Webサイトの運営を担当している方は是非、今後の動向に注目してみてください。
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