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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは

2021.06.17 Posted by

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとはWebサイトの制作にあたっていわゆる「素材サイト」で提供されている写真やイラストなどのフリー素材を利用することも多いでしょう。しかし、こうした素材は必ずしも全て誰もが自由に使って良いとは限りません。

 

フリー素材といわれているため、どのようなものでも自由に利用できるのだと思っている方は、うっかり法律違反をしてしまう可能性があります。今回は、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」に焦点を当て、様々なライセンスのあり方をご紹介します。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは

そもそも、クリエイティブ・コモンズとは、インターネット上の著作権規約が記されたクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している団体の総称のことです。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスには、著作権者がどのような方法で作品の利用を許可しているかの意思表示が記されており、著作物の利用者は著作者が決めた条件の範囲内で作品を使用することができます。条件には下記4つがあります。

1)表示:クレジット(著作者名や作品タイトルなど)を表示すること

原則として、著作権者氏名と作品の著作権が著作権者に帰属していることを記す必要があります。また、関連資料がある場合は、資料へのリンクも必要です。

2)非営利:商用利用不可

非営利の場合は、作品を使ってお金を稼ぐことはできません。基本的に企業など営利団体のWebサイトでは使用できないため、よく確認しましょう。

3)改変禁止:作品の改変をしてはいけない

改変禁止の場合、もとの作品に図や文字を入れたり、トリミングしたりといった改変はできません。

4)継承:作品を改変した場合、元の作品と同じライセンスを付与しなければいけない

継承の場合、作品を改変できますが、元の作品と同じライセンスが付与されます。ライセンスに違反しない限りは、派生作品として公開できます。

 

この4つのライセンスを組み合わせた6種類のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスがあります。例えば「表示」のみの場合はクレジット表記をすれば、改変や商用のWebサイトでも使用できるため比較的自由度が高いですが、「表示+改変禁止」の組み合わせの場合は他の画像や文字と組み合わせてWebデザインの素材として使うことはできません。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの作品をWebサイトで利用する場合は、その作品がどのライセンスを付与されているか確認することが必要です。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活用事例【初音ミク】

著作者(写真や文章などの素材を製作する側)にとっては、多くの人に作品を知ってもらうために自身の著作権は保持しつつも、人の目に触れさせる機会を増やす必要があります。クリプトン・フューチャー・メディア社の人気キャラクター「初音ミク」はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを活用した代表的な事例といえるでしょう。

 

初音ミクの場合、表示-非営利の範囲で作品の利用が許可されています。初音ミクの制作会社は、キャラクターの二次創作に対して積極的な姿勢をみせました。その結果、ユーザークリエイティブのシンボルとして、絶対的な地位を確立しています。

 

実際に、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが有効に利用された効果として初音ミクの制作会社は知名度があります。二次利用を黙認するのではなく、詳細なルールを設定した上で公認することは、作品を守ることに繋がっていることがよくわかります。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの活用事例【森美術館】

森美術館の展覧会では、一部作品を除いて館内での写真・動画撮影が許可されています。撮影した写真・動画の使用はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに法って、個人のブログやSNSなどで使用することができます。

 

参考:【公式】森美術館「アナザーエナジー展」

 

撮影に関する注意事項には、一定の条件下で作品の撮影が可能であると記されています。撮影された写真や動画については、非営利での公開が認められています。また、Webサイトへの表示例を含めて明確に記されており、著作者の権利が正当に守られる仕組みとなっています。

 

このようにクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを設定して撮影・公開を許可することは、Webでの口コミ・周知による時代に即した集客方法の一つとして注目されています。森美術館のデジタルマーケティングは、2018年の入場者数ランキング1位という大きな集客効果をもたらし、確かな結果につながっています。

まとめ

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスという言葉だけを聞けば、堅苦しく感じるかもしれません。しかし、著作権の範囲を明確に示すことで、作品の権利を守ることはもちろん、その作品を愛する人に認知してもらいやすくなります。また、明確に規約を定めることで、作品の利用者は正しく扱いやすくなります。

 

もし、自社のWebサイトでクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが設定された作品を利用する場合は、フリー素材の公開範囲を確認しながら、正しい使い方を心がけましょう。

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