Bing AI へのGoogleの対抗策! SGEとは?どう違うの?
昨年末リリースされ、大きな話題となっているAI、ChatGPTですがIT関係者以外にも広く知られるようになりました。2023年2月、ChatGPTと資本提携しているマイクロソフト社が自社検索エンジン”Bing”にAIチャットボット機能を搭載しました。
検索エンジンシェア率では長らく低空飛行を続けていたBingの突然の機能発表は話題を呼んでいます。しかし2023年5月、なんとGoogleが対抗策ともいえるSGE(Search Generative Experiece)を発表しました。
本記事ではChatGPTによるAI業界のブレイクスルーと、検索エンジン搭載AIであるBing AI(マイクロソフト)、SGE(Google)の機能・特徴についてまとめます。SGEについてはまだ発表されたばかりの未搭載(英語のみプレビュー版で試用可能)の機能のため、随時情報を更新していきます。
AIツールについては本記事の他、ウェブラボのスタッフブログでは複数記事公開しています。記事の最後にまとめて掲載しております。ぜひご覧ください。
目次
Bing AIとは?
そもそもマイクロソフト社が提供する検索エンジン、”Bing”をご存知ない方も多いのではないでしょうか。それもそのはず。Bingの日本におけるシェア率は第3位であるものの、7.7%と低い数字です。世界全体におけるシェア率はGoogleに次いで第2位の3.1%です。
(参照データ:statcounter)
Bing AIはMicrosoft Edgeのサイドバーからも利用可能です。そんなBingに搭載されたBing AIは、人に尋ねるような文章で質問することができ、質問次第ではその内容を期間ごとにピックアップ、要約までしてくれます。
文章での質問が可能に
”人に尋ねるような文章で”というのも、今までの検索エンジンでは調べたい事柄を「検索エンジン 日本 シェア率」のように単語で区切って入力するのが通常でした。しかし、今後は「日本の検索エンジンのシェア率は?」と会話するように尋ねることができます。
これは今までのGoogle音声入力やSiri、Alexaのような音声認識チャットボットやChatGPTをイメージして頂くとよいでしょう。
期間ごとに回答を絞る
”先週のITに関するニュースをピックアップして”と入力することでニュースを絞って提供することが可能です。
今までの検索エンジンでは検索オプションで検索対象ページの最終更新日の指定をすることで可能でしたが、数ある検索結果からピックアップする(それも全て会話形式で!)というのはできませんでした。
回答やサイト、PDFの要約
”先週のITに関するニュースをトピックスごとに要約して”と伝えるとニュースの内容まで要約してくれます。その他、ニュースサイト等を閲覧する際に”ページの要点を生成”ボタンをクリックすると記事を要約してくれます。
いずれも今までの中で全く新しい機能ではありませんが、検索エンジンのチャット上で全てを完結できるということ、そしてChatGPTの強みである言語認識能力を活かした点が大きなメリットです。
SGE(Search Generative Experiece)とは?
2023年5月、Bing AIに対抗するかのようにGoogleの検索AIのSGEが登場しました。Bing AIは既に実装されているのに対し、こちらはまだプレビュー版が発表されたばかりのため日本語は対応されていません。仕様についてもまだ英語のみの発表となっています。
https://static.googleusercontent.com/media/www.google.com/ja//search/howsearchworks/google-about-SGE.pdf
GoogleのAIといえば2023年3月にリリースされた”Bard”が記憶に新しいですね。こちらは文章生成AIであるのに対し、SGEはBing AI同様、会話形式の柔軟な検索クエリ、要約などが可能となっています。仕様書内の”SGEでできること”にはこう記載されています。
• Ask entirely new types of questions that you never thought Search could answer
• Quickly get the lay of the land on a topic, with links to relevant results to explore further
• Ask follow-up questions naturally in a new conversational mode
• And get more done easily, like generating creative ideas and drafts right in Search
元の文書が英語のため分かりづらいですが、概ねBing AIと同様の機能が備わっています。まだ試用段階のため、改良が加えられる可能性があり、今後の変化に目が離せません。
Bing AI、SGEとChatGPTの違い
すでにChatGPTが発表されている中、シェア率の低いBingのAIがなぜこんなに話題となったのか。ChatGPTとの違いについて探ってみます。
ChatGPTとはどう違うのか?
ChatGPTは言語能力に大変優れており、ラフな日本語でも流暢に返答を返し、プログラミングも得意です。しかし、ChatGPTは開発時までの情報しかないという大きなデメリットがあります。そのため、返答は必ずしも正確であるとは言えず、情報の精査が必要です。
その点、Bing AIとSGEはネット上の情報のリアルタイムな情報を持ち、要約する機能があるため”情報を調べる”ということに非常に特化しています。もちろん、逆に彼らにプログラムを書いてくれというのはナンセンスでしょう。
まとめ
まだまだ進化の一途のAIですが、サービスごとに特化した分野があり、1つで完結するとはいえません。しかし近年これだけ爆発的に開発が進み、今後オールマイティなツールや強いAIがでてくるやもしれません。
近い未来、強いAIが開発され、シンギュラリティに到達した時、私たち人間はどう生きていくのか。怖くもあり、楽しみでもありますね。ウェブラボではAIに関連する記事を複数公開しています。他の記事も是非ご覧ください。
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