選挙とインターネット
そんな中、選挙とインターネットの関係について、これまでにも議論がありましたがいつもにもまして新聞やTVで見かけるようになった気がします。
ここで言う“選挙とインターネットの関係”というのは、もちろん公職選挙法によるインターネットを使った選挙運動の制限のことです。
総務省の解釈だと、ホームページや電子メールを不特定または多数に投票依頼を行うことは、この“文書図画”の領布にあたり、更新したり新設したりしてはいけないのだそうです。
これに関連して、7/5日経新聞(夕刊)に、「ご注意!思わぬ選挙違反」と題して、選挙運動できること・できないことがまとめてあったので、引用します。
【できること】
- 電話による投票依頼(自由だが、アルバイトに日当を払うと買収に)
- 商店を訪れた人に店員が投票を依頼する(会合や街頭、バスや電車のなかで出会った知人などに投票を依頼する個々面接は規制なし)
- 演劇や映画鑑賞で集まっている観客を前に候補者が演説
- ビラの配布、はがきの郵送、ポスターの掲示(種類、枚数などに規定あり)
- 選挙事務所への来訪者に飲食物を提供(お茶やせんべいなどのお茶うけ程度に限って可能)
- 演説会場や街頭演説の場所、選挙カーで候補者の名前などを連呼
- 選挙カーでマイクを握る「うぐいす嬢」への日当支払い(届け出た者に対し1万5000円以下)
- 未成年者を選挙事務所で雇用(選挙運動のためではなく、文書発送など単純労働のみ)
- 音声メール(音声だけなら文書図書にあたらず適法。映像があると「文書図画」で違法に)
【できないこと】
- 候補者や政党のホームページ(HP)新設・更新
- ブログの新設・更新
- 仮想空間「セカンドライフ」での運動
- セカンドライフで第三者による特定候補への投票依頼
- メールマガジンの配信
- 電子メールの配信
- 配布用マニフェスト(総務相に届け出)そのもののHP掲載
- 第三者による特定候補の応援サイト開設
(第三者が行えるのは電話による勧誘と個々面接などに限定)- 選挙カーのアルバイト運転手にビラを配布させる
(ビラ配布は選挙運動にあたるので、運転手に報酬を支払うと買収に)
もう周知のとおりですが、公職選挙法で“文書図画”の領布が駄目なのは、財力のある政党が金にものを言わせてチラシやビラを配りまくり、財力の無い政党を駆逐するような事態にならないように公平性を保つため、とされています。
この公職選挙法のそもそもの意図を考えたら、セカンドライフを使った運動はともかくとして、マニフェストのHP掲載やブログ・ホームページの更新の禁止というのは、どう考えてもおかしいのではないでしょうか!?
禁止の理由は“文書図画の領布にあたる可能性があるから”と総務省が判断しているから、ただそれだけです。
ブログやホームページを更新したら、公職選挙法が意図する不公平が生じるでしょうか?
ビラも法定ビラといって、選挙管理委員に届け出た団体のビラしか出せません。法定ビラには候補者の名前すら書けないらしい。つまり誰がどういう思いで立候補してるのかわからないようなビラしか出せないということです。
これは、むしろこの制限によって逆に大きな不公平が生じているのではないかという大いなる疑問が湧きます。
自民党や民主党はテレビCMや新聞広告をバンバン打っています。
一般的にお金がかからないとされているネットやビラが駄目で、テレビCMならOKって、どう考えても変ではありませんか?
テレビCMが打てないお金の無い政党は、相当制限のかかった中でかなり地道な活動を強いられる、かたやテレビや新聞広告をバンバン出して知名度を上げる・・・
我々現役世代は、平日は仕事中につき街頭演説に耳を傾ける余裕なんかある訳なく、日曜も家族サービスなので、じっと街頭演説など聞いていようものなら子供たちから大ブーイングなのです。
ですから、自分の時間の都合で接触できるメディアで無いと、忙しくて情報収集できないのです。
もちろんそれでも選挙には行きますが、せめてインターネットで候補者が自分の主張をきちんと公表できる、そういう環境を強く望みます。
若い現役世代の投票率が低いということが問題になったりもしますが、情報の接点が少なくて判断できないから、候補者の主張を知らないから、という理由も結構大きいのではないでしょうか。
まずは志ある民間の仕事に期待!
▼Yahoo!政治「投票に役立つマニフェスト」
http://seiji.yahoo.co.jp/specialfeature/sangiin2007/manifesto/
▼ザ・選挙-街頭演説がポッドキャスティングで聞ける
http://www.senkyo.janjan.jp/special/2007sanin/gaitou_list.html
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